女のような、でも男
- by ゆうり at 1月27日(金)12時03分
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俺は高校2年。
2ヶ月まえまでは女と付き合って、セックスして、男とセックスするって思ったことなかった。 あるできごとがあるまでは・・・
俺は175センチでそんなに高いわけでもないし、顔も男らしくない。 生まれつき色白で、髪の毛や目も色素が薄く茶色だ。 極め付けが大きな目と軽くウエーブのかかった髪の毛。 自分の姿にコンプレックスをもってるのは言うまでも無い。
小さいときから女のようなこの容姿のおかげで、ずいぶんとからかわれた。
容姿は女みたいだが、性格は違っていた。 小さいときからからかわれていたおかげ?か、強気で勝気で。 人に負けることが嫌いだった。 この性格と容姿とのギャップで、中学生になった頃から、女の子に告られることも多かった。 昔、俺のことをからかっていた男たちも、モテてる俺をうらやましがり、からかってくることはなくなった。
高校に入ってから、何人に告られたかわからない。 女にはもちろん、男からも。
体育会系のごつい人がほとんどだった。 「男だって事はわかってるし、男が好きなわけじゃないけど、お前のこと好きになった」っていう同じような内容で男から告られる。 返事は「NO」
実際、男に好きと言われても、俺は女が好きなわけだし・・・ でも、好意をもたれることは嫌じゃなかった。
俺ってそんなに男の目に可愛く見えるかと、親友のアツシに聞いたら「可愛いだろうな。毎日汗にまみれてる奴からしたら、相当!」とあっさりキッパリ言われた。
そんな俺には、彼女がいる。もちろん女の。 やりたいさかりの高校生、セックスは毎日のようにしてる。
学校の帰りに俺の家によって、セックス。 彼女の家まで送っていくのがお決まりのコース。
彼女曰く、俺のチンコは大きいらしい。 修学旅行の風呂でも友達に同じこと言われた。 まぁMAXのときに比べたことないからどうかは不明。
今までセックスした女には「見た目綺麗で中性的なのに、性格は男っぽいし、おちんちんもすごいおっきいし、不思議な感じ」ってよく言われる。
その話をアツシにすると「女はギャップに弱いんだよ。女っぽいのに男らしい! お前がうらやましいよ。」と力説されながら、チンコを握られた・・・
アツシは何かにつけて、俺のチンコやケツを触ってくる変なやつ。
こんな感じで見た目が女っぽいけど、普通に高校生活を送ってた俺に事件が。
女のような、でも男 2
- by ゆうり at 1月30日(月)11時22分
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それは10月初めにあった、クラスマッチでの出来事・・・
全校で行うクラスマッチ。 うちの高校は体育祭がない代わりに1学期と2学期にクラスマッチをする。
ちなみに1学期、俺のクラスはみごと総合優勝をした。
俺のクラスは男子が少ないから、みんな競技を2・3個掛け持ちして、かなり忙しい2日間のスケジュールになっていた。
二連覇をかけて、男女ともに張り切ってた。 行事になると妙に団結してテンションの高いクラスは楽しいよ。
結果は二連覇達成!!
放課後、みんなで教室に残りジュースで盛り上がってた。
俺はトイレに行きたくなり、アツシにトイレに行くと言って教室を抜けた。
トイレに行って用をたしていると、前に告られたことのあるサッカー部の先輩が入ってきた。
便器はたくさんあるのに、当然俺の隣に立った。
先輩「坂井、久しぶりだな。」
俺「・・・そうっすね。」
話しかけてきた先輩の目は優しかった。
この人はサッカー部の元キャプテンで、背も高く男前で女に不自由するような人ではない。
なのに、俺のことを好きと言った。
正直、俺にはそのとき理解できなかった。
最近でも理解できるわけじゃないけど、姉貴の読んでた漫画を読んで何となく、今までよりは違う考えができるようになった。
別に男が好きなわけじゃなく、好きになった人がたまたま男だっただけのこと。
相手が異性じゃないと好きにならないというのは、本当に相手のことを好きなわけじゃない!
こんな内容だった。 これって究極の愛だなって素直に思ってしまった。
先輩に返事をしながら、その漫画のことを思い出していた。
少女マンガなのに男同士がセックスしていた。
この先輩も俺としたいと思ってるんだろうか?
先輩「やっぱり俺、お前のこと好きな気持ちかわってないから・・・」
俺「・・・」
漫画を思い出して、妙に警戒してる自分がそこにいた。
俺「俺には彼女いるし。」
先輩「俺も彼女いるよ。知らなかった?」
俺「?!」 意外な答え!
俺「じゃあ何で? 彼女いるのに俺に?」
先輩「別に俺は女が好きだし、男を好きになったことないけど、お前に対する気持ちは今まで女に感じてた気持ちと違っててさ。」
俺「違う?」
先輩「説明するのは難しいけどな。男とか女とか関係っていうか。」
おいおい! 漫画と同じじゃん!!
先輩は手を洗いながら俺に言った。
先輩「お前のことが好きって、ただその気持ちだけなんだよなぁ。 自分でもわかんねぇ。」
俺「・・・」
俺がガキだからわからないのか? それともやっぱり究極の愛?
漫画と目の前の現実が一緒なのに、そこに馴染んでない俺は、俺がおかしいのかさえ思ってしまった。
先輩「そういえば、総合優勝おめでと。 二連覇はすごいよ。 じゃあな。」
先輩は帰っていった。
振り返って手を上げた先輩の目は優しく、男前の笑顔と鍛えられた体がかっこいいと思った。
女のような、でも男 3
- by ゆうり at 2月1日(水)11時18分
- Number:0201111847 Length:1109 bytes
やっぱりスポーツしてる人ってかっこいいよなぁ。
先輩の後姿をみながら、そう思っていた。
アツシ「ゆうりー」
俺「・・・何?」
アツシ「何じゃねぇよ。 トイレから帰ってこねぇし、返事は遅いし!」
と、言いながらバシっと背中をたたかれた。
アツシ「何かあったのか?」
俺「俺に告ってきたサッカー部の元キャプテンと話しててさ。 やっぱり俺のこと好きなんだって。 彼女いるのに、俺のこと好きって言ってた。」
アツシ「また告られたってわけ?」
俺「男とか女とか関係なく好きって。 女のことを好きっていう気持ちとは違うらしい。」
アツシ「相当気に入られたな。」
俺「・・・」
アツシ「とりあえず教室戻って、打ち上げ楽しむぞ。 みんなで焼肉行くとか言ってたし。 話はあとで聞いてやるから。」
アツシはそういって、教室へ戻っていった。
いつも、俺が男に告られる度に相談してるから、慣れたものって感じ。
いつもはどんなに男に熱烈に告られても、即断ってたのに、今回は何も言えなかった。
それどころか、先輩をかっこいいと思った自分にビックリだ。
芸能人やモデルを見てかっこいいと思う気持ちと少し違ってたし・・・
こんなことアツシに言っても、何でそう思ったのかわからないと思うけど。
俺が今までの俺と違ってることに、戸惑いながら教室へ戻っていった。
女のような、でも男 4
- by ゆうり at 2月1日(水)15時53分
- Number:0201155317 Length:1813 bytes
焼き肉屋からの帰り、俺はアツシと一緒に帰っていた。
アツシ「今日泊まりに来いよ。 明日休みだし、親旅行でいないから気ぃ遣うことないし。」
俺「いいけど、着替え持ってねぇし。」
アツシ「取りに帰ったらいいじゃん。 一回帰って原チャで来たらすぐだろ。 話も聞いてやるし。」
俺「じゃあ、あとで行くから先帰ってろよ。」
俺はアツシに言われるまま泊まりに行くことにした。
1年のときから、結構泊まりに行ってるし、今日は話聞いて欲しかったから断る理由もないし。
ピンポーン。
アツシ「早かったじゃん!」
俺「まぁな、風呂上りはわかるけど真っ裸で玄関開けるなよ・・・」
アツシ「ゆうりってわかってたし、今更じゃん。」
まったく、親しき仲にも礼儀ありって言うだろ。 少しは隠せ!
と、心で思いながら俺は笑ってた。
アツシ「風呂入ってこいよ。」
俺「そうするわ。」
風呂から上がるとトランクス姿のアツシはリビングでテレビ見てた。
飲み物持って部屋に行くことになり、来るときに買ったおやつとビールを持って2階にあがった。
俺「とりあえず、2連覇おつかれー!!」
風呂上りのビールはうまい!
ビール飲みながら、クラスマッチの話で盛り上がった。
結構空き缶が転がった頃、アツシが先輩の話をしてきた。
アツシ「サッカー部の人、どうすんの?」
俺「どうするもなにも、どうしようもないじゃん。」
アツシ「あの人沢村律って言って、彼女は隣のクラスのリカちゃん。 リカちゃんサッカー部のマネージャーしてるから、それがきっかけで付き合ったって女子が言ってた。もう1年くらいは付き合ってるじゃないかな。」
酔っ払いぎみのアツシが先輩の情報を教えてくれた。
アツシ「あの人、かっこいいよなぁ。 男らしいけど優しい雰囲気持ってるし。」
遠くを見ながら言うアツシは、照れるような感じで言う。
アツシ「お前がうらやましい。」
俺「・・・男に告られるのが、うらやましいか?」
アツシ「人によるけどぉ・・・」
照れて顔が赤いのか、酔っ払って赤いのか?
でも、このときのアツシは好きな人を思っているような雰囲気だった。
アツシってもしかして・・・
一瞬そんな気がしたけど、聞けなかった。