H体験?談 過去ログ(L-88)
シュウさんの体験?談 (俺とアイツの出会い)


俺とアイツの出会い

  • by シュウ at 7月8日(木)16時50分
  • Number:0708165019 Length:1361 bytes


俺の名前はシュウ。
見た目は一重切れ長の目で鼻は高くなく、例えるなら「クラスに一人はいる奴」って感じだ。
体格的には太ってはいないけど、筋肉質というわけでもないのでなんか中途半端だと自分では思っていた。

これでも若い時には結構SNSとかでメッセージとかもらうくらいだったけど、30過ぎてからは全然出会いのない日々を過ごしていた。
まあ28歳の時に恋愛がらみで嫌な思いをしたから別にいいといえば良かったのだが…。


そんな俺にプライベートでも最悪な事があった。5月いっぱいで不況のため会社をリストラになってしまったのだ。
5月いっぱいは離職票も来ないので暇な日々を過ごしていた。

そんなある日、何気なく観ていた出会い系のエリアボードにこんな投稿があった。

「横浜で食事できる人募集。
 お互いよかったらその後も。
 さとし 170*70*19」

 
年下の子ってのも悪くないかなって思い、メールを送ってみたら返答があった。

「メールありがとうございます。よかったら画像交換しませんか?」

本当はしたくなかったんだが、出会ってがっかりされるくらいなら先に顔を見せて断られた方がいいなって思い、
それなりによく写ってる写真を送った。


「結構いいじゃないですか。オレはこんな感じです。」

桜並木をバックに映っていたのは、ちょっとタレ目だけど肌がつやつやで、ガタイは結構良さげで、でもちょっとあか抜けない所
があるような学生だった。

俺が感じたのは「…なんか田舎にいる親戚の子供みたいでカワイイな。」って事だった。


すっぽかされることを覚悟して、俺は待ち合わせ場所にしていたモアーズ前に向かった。


俺とアイツの出会い2

  • by シュウ at 7月8日(木)16時55分
  • Number:0708165401 Length:1240 bytes

携帯を適当にいじりながら待っていると、前からニコニコしながら歩いてくるヤツがいた。


「こんばんは。メールくれたシュウさんですよね。」

「うん、そうだよ。君はさとしくんだよね?」
アイツがニコニコしてたから、こっちもつられて笑顔を返してしまった。


「どこに食事行きたい?」
「うーん…。なんかいっぱい食べたい気がします。」
確かに見た目からしてよく食いそうだったので、前に友達と行った焼き肉食べ放題の店に行くことにした。

その店は半個室なので、さとしと向かい合って席に座ることになった。

さとしが言うには、昔から水泳や柔道などスポーツをしてきたとの事なので、シャツから見える二の腕も太く
胸板が厚いのも服の上からよく判った。

肉が運ばれてくると、さとしはものすごい量を美味しそうに食べていた。こっちも体格の割にはよく食べる方
だが、さとしの方が若いし体がデカイので勝負は見えていたと思う。


年齢差が一回りもあるから話が合わないと思っていたが、趣味がゲームという事や住んでいる処が駅で隣どおしという事もあり結構話が弾んでいた。


食べ放題のラストオーダー時間が来たので「もう帰る?」と言ったら、
「…これからシュウさんの家に遊びに行きたいんですけど。ダメですか?」
焼き肉の火が熱かったんだか、照れていたのかはわからなかったが、頬を赤らめてさとしはそう言った。


…俺は断る理由も無いし、駅も隣なら帰りも大丈夫だろうと思いさとしを家に招くことにした。


俺とアイツの出会い3

  • by シュウ at 7月8日(木)19時26分
  • Number:0708170213 Length:1840 bytes

うちに来たさとしは部屋の広さにビックリしていた。

「なんか一人暮らしなのに広い部屋ですね。…あ、プレステ3がある。ねえねえやってもいいですか?」
「うん、良かったら2人同時プレイやろうよ。」

二人で肩を並べて座り、アクションゲームをしばらくやっていた。


ゲームが終わった後、さとしがこっちを見つめてきた。
俺もさとしを無言で見つめた。

二人の顔が近付き唇を重ね合った。
舌を絡めあい、時々下唇を挟む様なキスで、心までとろけるようだった。
一回りも年下なのに、さとしは大人のキスに慣れているようだった。…誰に教わったのかはしらないが。


そのままベッドに誘い上から脱がしていった。
熱い胸にピンク色の乳首。体毛は薄く肌は白くすべすべで筋肉も弾力があった。

乳首を口に含み軽く噛んだり、舌で転がしていくとアイツの口から吐息が漏れる。

乳首からわき腹へと舌を這わせて、そのまま下腹部まで顔を近づけてパンツを脱がせた。



さとしのモノははちきれんばかりに勃起していて、亀頭は赤黒くすでにぬれていた。

口に含むと「ああっ」と声をあげ、さらに大きさと堅さを増していった。


モノを咥えながら肛門にローションを塗り、一本ずつ指を入れて前立腺を刺激しながら少しずつほぐしていった。

「痛いか…?」
「…大丈夫。気持ちいい。」


肛門がほぐれてきたので、俺のいきり立ったモノを少しずつ挿入した。
さとしの顔がゆがむ。
「ごめん、痛かったか?」
「大丈夫だから、ゆっくり奥まで入れて。」

完全に奥まで入れてから、キスをて腰をゆっくりと動かす。
さとしの顔は快楽におぼれ、首から下が紅潮してきた。

さとしを抱き上げ対面座位になった。ぎゅっと抱きしめると、体には適度な柔らかさがありとても心地よかった。「繋がっている」という事が俺の体も心もすべてが高ぶっていくようだった。


顔を紅潮させて感じているさとしを見ているだけで俺はいってしまいそうになったので、一度さとしの中にあるものを抜き、そのままベッドに横たわり、さとしを腕枕して乳首をさわりながららこう言った。

「たしかリバだったよな。俺のことも攻めたい?」
「うん。」

照れくさそうにほほ笑むさとしが俺に覆いかぶさってきた。


俺とアイツの出会い4

  • by シュウ at 7月8日(木)19時22分
  • Number:0708191828 Length:2807 bytes

覆いかぶさってきたさとしの顔を見ると、さっきまでのニコニコしていた奴とは全くの別人で、目は獲物を狙う獣の様になっていた。

俺の乳首を舌で攻めながら獣のような目で見つめてくる。それを見ているだけで俺は性の奴隷にされてしまった気分になった。

乳首は手で攻めながら俺の一番感じる腋をなめられた時、普段声はあまり出さない筈の俺も声を出して喘いでしまった。


舌をナメクジの様に腋からわき腹へと這わせ、俺の亀頭に舌を当ててきた。
キャンディーを舐めるように攻めたかと思うと、口でくわえて吸いつきながら舌を使って攻めてくる。
俺のモノもさとしの攻めに反応して、はちきれんばかりに勃起していた。


久しぶりの感じで俺が喘いでいると、アイツがローションを肛門に塗ってきた。
「力抜いてね…。」
「うん。」
俺はリバであるが、実はあまりアナルは感じない。だが『さとしに攻められている』という状況が俺の快感を何倍にも高めていった。

十分ほぐれたところで、さとしが熱くなったモノを俺の肛門に当ててきた。
「入れるよ…。」
「あんまり深く入れないで。」
「…わかった。こんな感じ?」

さとしのモノが入ってきた。浅くしかも前立腺に当たる処にゆっくりと入り、俺が感じてきたのを見るとだんだんと腰の動きを速めてきた、
「ああっ。」
俺も思わず声が出てしまう。さとしは腰を動かしながら、右手では俺のモノをゆっくりとしごいている。


二人ともいきそうになったので、さとしに俺の中から抜いてもらい、俺が上になって兜合わせをした。
二本合わせて握るとあいつのモノが熱くビクンビクンしているのが伝わってくる。しごくたびにお互いの先から先走りが漏れてテカテカになってきた。

「一緒にいこう。」
「うん。」

しごくスピードを速めると二人で絶頂に達して、お互いのモノから精液がドクドクと噴出した。
ほとんどがさとしの体にかかったが、それを拭かずに抱きしめキスをした。

二人の汗と精液でベトベトになってるのも気にせず、体の火照りが収まるまでずっと抱き合っていた。



終わった後は二人でシャワーを浴びた。
ベッドの上とは違って、二人で水遊びをするようにはしゃいでしまった。
背中を流してあげたり、「お客さんどこからですか?」とかソープランドみたいな事をして遊んだり…。

シャワーを浴びながら話してわかったんだが、さとしも今バイトを探しているとの事だった。「お互いに職探し大変だね。」とか言いながらシャワーを掛けあって風呂を出た。


しばらく部屋で涼んでいた時、さとしが恋愛観について話してくれた。
どうやら年齢は20位上でも構わないらしく、俺も許容範囲内だという事だった。
でも俺としては、一回りも下と付き合った事もないから、どういう感じなんだかその時は想像もつかなかった。

なんだかんだしていたら22時を過ぎてしまったので、さとしを玄関まで見送った。

「今日は楽しかったよ。」
「また…会えるかな?」
「うん。また会いたいよ。」
初めて観た時と同じ笑顔でさとしが答えた。

「あ、別れる前にしたいことが。」
「何?」

こっちが聞こうとするのと同時に、さとしは肩を持って俺を引き寄せキスをしてきた。

「じゃあ、またね。」
そう言うとドアを閉めて帰って行った。


唇に残った感触がいつまでも残っていて、久しぶりにちょっと照れくさいような、でもなんかドキドキする気持ちになってしまった夜だった。


俺とアイツの出会い5

  • by シュウ at 7月9日(金)19時43分
  • Number:0709194348 Length:3110 bytes

さとしと出会ってから数日後、離職票も届かず暇だったので数年前からの親友蒼太と食事をしていた。


「あ、そういやシュウくん。なんか明るくなったね?」
「え、そう?」
「うん、なんていうか…以前よりもスマイルしながら話してるというか。」
「ああ、そういや最近話す時にニコニコしてるヤツと出会ってね。そいつの癖が移ったのかな(笑)。」
「そうなんだ。まあシュウくん仏頂面だからそのまま続けててもいんじゃない?」
「…仏頂面とは失礼なw。どうせ俺はそーちんやさとしみたいに愛嬌のある目じゃないよ。」
「ゴメンゴメン。…ってその子『さとし』って言うんだ?」
付き合いが長いだけあって、蒼太は結構ズバズバものを言ってくる。まあさとしとの出会いが自分の中で色々と影響を与えていたとう事は確かなのかもしれない。


その後さとしとはお互いに暇があるとうちに来て、ゲームをしたりDVDを見たり、お互いに体を求めあう事が続いていた。

俺もさとしも性に関しては興味深々で、顔を写さない事を条件に、兜合わせやさとしのピンク色の乳首をSEXの最中に写メを撮ったりした事もあった。
たとえどんなことをしていても、さとしとのSEXは体だけじゃなく心まで熱くなるような感じだった。
体をピンク色にして感じるウケのさとし。勢いに任せてガンガン行くのではなく、巧みなテクニックで攻めて感じさせてくれるさとし。
俺はどんどんさとしに夢中になっていった。

さとしがうちでSEXする時には必ずといっていいほど一緒に風呂に入っていた。
俺が後ろから抱き締める様にして、さとしと一緒に浴槽に入って、時にはキャッキャとはしゃいだり、時には真剣に話したり…。「もっと胸板ほしいな…。」とか「ちょっとおなかの肉出てきたかな?」とか語るのが本当に楽しかった。

そして必ず帰るときには玄関で「またね」とキスをする。まるでマンガに出てくる夫婦がいってらっしゃいのキスをするように。


その時はそれが恋愛感情かどうかはわからなかったが、「さとしと一緒にいられる」という事が嬉しくて仕方ない状態だった。



6月になり俺も一つ年をとったが、さとしに誕生日を教えるのを忘れたので一人ぼっちの誕生日となってしまった…。

職探しの方も横浜市のイベントスタッフに受かり、6月下旬から9月までの長い間働けることになった。

最初の研修でメンバーを見てみたら、自分よりも何歳も年下の子が多かったが、さとしで大幅な年下には慣れていたので別にコミュニケーションで困ることは無かった。
実際に仕事が始まると、炎天下の中で朝から晩まで歩きまわっていたので、休みの日はバテていて、さとしどころか誰とも会う余裕が無くなっていた…。

仕事を始める前会った時に仕事の事は伝えていたので、さとしも気を使ってくれたらしく時々メールをするだけで、実際に会う事は控えてくれていた。


仕事をする時、さとしがいつもしているようなスマイルを客にしていたら、「すごく対応がいい」とほめられたこともあったし、年下のスタッフからも「シュウさん31歳ってマジですか!?全然若く見えるんですけど。」とか言われる事もあった。
今思うとさとしとの営みで若い気をもらっていたからという気がしないでもないが(笑)。

仕事が終了する間際に俺に想いを寄せてくれたと思われ11歳下の女の子がいたが、その子は終了後海外留学が決まっていたので深い関係にはならずに終わった…。



9月末月になり仕事が終了した時に「ようやくイベント終わったよ。…よかったら会わない?」とさとしにメールを送った。
返事にはこう書いてあった。


「ごめんね、オレバイト見つかったんだ。居酒屋だから夜の仕事が忙しくてなかなか暇がなくて…。」


このメールから運命のいたずらが始まるとは、この時に俺にはわからなかった…。


俺とアイツの出会い6

  • by シュウ at 7月10日(土)21時50分
  • Number:0710215040 Length:1647 bytes

10月になり、俺は職業技術校にて料理の訓練を受けることになった。
場所は違うとはいえ、さとしと同じ料理の仕事をするので、アイツが忙しくて余裕が無いというのはわかるような気がした。


入学式の後、雇用保険の手続きをする為ハローワークに向かった。
最寄駅からハロワまでの歩道橋を歩いていると、前から今風とは程遠いイメージの学生3人組が歩いてきた。
「うーん、あの子はもうちょい身だしなみ整えればカワイイんだけどな…。」
そう思いながらすれ違った後ではっと気付いた。

「…あの子、さとしだ!!」

声をかけようかと思ったが、ハロワに向かっていたので引き返すこともできず、退屈な説明会の時にさとしへメールした。

「久しぶり。そういやさとしさあ、さっき○○駅の歩道橋を友達と歩いてなかった?」
「え、なんで知ってるの?」
「ハロワ行く時にその歩道橋通ったからね。」
「なんだあ、声かけてくれても良かったのに♪」
「でもちょっと急いでたし、スーツだったしメガネだったし…。」
「そんなこと気にしないのに。」
「でも友達になんて説明するの?『元家庭教師です。』とか?(笑)」

久しぶりにメールが返ってきたので、楽しくてしょうがなかった。
「せっかく会えたんだし、駅前に新しく出来た珈琲屋行かない?」
「…ごめん、今日もバイトなんだ。」
今回もバイトを理由に会う事が出来なかった…。


その後俺は朝から職業訓練に出かけ、17時には家に帰っているという生活を送っていた。
その頃のさとしは昼は専門学校で冬季試験と課題に追われ、夜は居酒屋の厨房で仕事を覚えるのに必死だったのだ。



「仕事と私のどっちが大事なの?」とか言うバカ女みたいになれたらどんなに楽だったろうか…。



さとしと会えない日が続き、1月になろうとしていた。
いつものように訓練を終え電車に乗っていると、俺の携帯にメールが届いた。

「なんか会いたくなっちゃった…。明日か明後日暇だったらいいな。」

差出人の名前はさとしだった…。


俺とアイツの出会い7

  • by シュウ at 7月11日(日)08時46分
  • Number:0710223450 Length:2391 bytes

「なんだ、さとしから誘ってくるなんて珍しいじゃん?」
「しばらく会ってないなって思ったからさ。」

俺は明日訓練が終わってから会おうと返信した。

その日はスーパーに寄り、明日さとしに食べてもらいたくて実習で習ったプリンの材料を買って帰った。


翌日はさとしと久しぶりに会える事が嬉しくて、技術校でも「なんか妙に楽しそうですよね。」とか言われてしまうくらい待ち遠しかったのだ。


訓練を終えて最寄り駅に着くと、さとしが自転車を停めて待っていてくれた。
まるでゆずの歌の様に、さとしの広い背中にもたれながら坂を下って、家まで連れて行ってもらった。


家に着くと俺が作ったプリンを食べながら、今まで会えなかった分の時を取り戻すかのように色々語り合った。
俺の訓練の事。さとしのバイトの事。最近のゲームの事。
どんな話でも、あいつは俺の目をじっと見つめて笑顔で話してくるのだ。


久しぶりに見るさとしの笑顔に俺はドキドキしてしまった。
「さとし…いいか?」
「…うん。シュウさんに攻めてきてほしい。」

俺はさとしの手を引きベッドに誘った…。



今までの押さえていたものを全てぶつけるように、俺はさとしを野獣のように攻めていた。
両手で乳首をつまみながら、耳を舐めて「かわいいよ、さとし。」とつぶやく。
それに反応するように体を痙攣させて感じるさとし。

乳首から腋の下、わき腹からへそへと舌を這わせ、股の間に届いたらかるく睾丸をくわえ、さとしの秘門が見えるように腰を上げて、つぼみを広げるように舌で刺激する。
さとしの体が快楽で桃色に染まっていった。

さとしを見ているだけではちきれんばかりになった俺のモノをさとしの秘門に当て、ゆっくりと挿入していった。

「ああ、…すごい。熱いよ。」

さとしが声をあげて悶えていた。

正上位でさとしの顔を見つめながら、時に浅く、時に深く挿入した。
そのままさとしを起こし、対面座位になり抱えるように抱きしめ腰を動かした。

「さとし、すごくいいよ。なんか暑くてとろけそうだよ。」
「シュウさん、いつもと違って激しいよ。なんかオレおかしくなりそう。」


ぎゅっと抱きしめて二人とも汗まみれになった。そんな事も構わずに舌を絡めあい深いキスをして、さとしの締め付けを味わいながら激しくモノを動かす。


俺は絶頂を迎えそうになったので、さとしの秘門から抜き胸に精液をかけようとした。ところが気持ちが高ぶっていたせいか、精液は胸を越えてさとし顔を白く染めていた。
荒い息をしている中、俺はさとしの顔にかかった精液を舐めとるかの様にキスをした。

さとしも絶頂を迎えようとしたので、俺の顔に精液を掛けるように頼んだ。
「いくよ。」
さとしの若くて新鮮な熱い飛沫が俺の顔を染めていった。さとしも同じように舐めとるようにキスをしてくれた。


快楽に溺れた体はなかなか冷めず、二人はしばらく無言で抱き合っていた。


俺とアイツの出会い8

  • by シュウ at 7月10日(土)22時36分
  • Number:0710223601 Length:1289 bytes

体の火照りが冷めたころ、いつものように二人で風呂に入った。

湯船に膝を合わせるように二人で入った時、さとしが俺の目を見つめて何かを言おうとした。

「シュウさん…伝えたいことがあるんだ。」
「なに…、まさか。」

その時の俺はさとしから告白されるとばかり思っていた。


「シュウさん、俺…彼氏ができたんだ。」

その言葉で俺は一瞬目の前が真っ白になった。彼氏がいるのも知らずに俺はさとしを求めてしまったのだ。罪悪感と失望感がどんどん俺の心を支配していく…。

「じゃあなんで俺が求めたのを断らなかったんだ。」
「シュウさんの目を見つめていたらどうしても…本当にごめんなさい。」

さとし曰く、彼氏は俺よりもずっと年上の40過ぎのウケで、さとしの中にある「ウケとしての自分」がだんだん満たされなくなり、結果として俺を求めてしまったという事だった。

「もういい、何も言うな。」
「…ごめん。」


言葉少なげに風呂を出て着換え、さとしを玄関まで送った。

「じゃあね…。」

今にも泣きそうな顔でさとしが靴を履き、ドアを開けようとした。

「待て、別れる前にする事があるだろ。」
「なに?」

俺はさとしの肩を抱き片手を後頭部にあてて、今ままでよりも熱く深いキスをした。


さとしはうつむきながらドアを開けて帰って行った。



「あいつ、『またね』って言わなかったな…。」


一人になったベッドに横たわり、唇に残るさとしの唇の感触を人差し指でなぞりながら天井を見つめていると、28の時に捨てたはずの泪が両目からこぼれていた…。


俺とアイツの出会い9

  • by シュウ at 7月11日(日)08時24分
  • Number:0711070430 Length:2342 bytes

さとしに彼氏が出来たと聞いたあの日から、さとしとしばらく連絡を取れずにいた。


俺はその間何人もの男と行きずりの関係を持っていった。
40歳のガチムチの現場監督や、さとしと同じ19歳の若者、同年代の筋肉質な男など色んなタイプがいたような気がする。
彼らはそれぞれいいところがあったし、SEXの時も必ずと言っていいほど射精はしていた。
ただ、心の奥底ではどこかしら満足感が得られない部分もあった。
必ずと言っていいほど「ほんと顔もタイプだしSEXも上手いし。また会いたいな。」と言う奴に限って、別の日にメールをするとまったくと言っていいほど返事が返ってこなくなる…。
連絡が無くなるとまた新しい男を見つけ、その男もしばらくすると連絡が無くなる。そんな事の繰り返しだった。


ある日親友の蒼太に会う事があったので、さとしの事や現状の男関係について全てを打ち明けた。
「まあ、さとしって子との事は残念だったよね。」
「やっぱり俺が悪いのかな…。」
「当然だよね。あのさあ、俺思うんだけど。さとしって子は『もっとシュウ君に真剣に付き合ってほしかった。』って思ったんじゃないかな。」
「え?」
「まあ今となっちゃ別の人と付き合ってるんだからどうでもいいけどね。あーあ、俺もあの時のシュウ君みたいにそろそろ恋愛してみようかな。」
「目の前にフリーな男がいるけどどう?(笑)」
「…その件については8年前にお断りしてると思うけどね(笑)。」
実は8年前蒼太に告白した事があるのだ。蒼太の返事は「ずっと友達としていい関係でいたい。」というものだった。その当時は残念な想いでいっぱいだったが、今思うと付き合って別れたとしたらお互いの性格上二度と会う事が無くなっていたんじゃないかと思う。
さとしに告白できなかったのは、別れた後永久に会えなくなる事を無意識に怖がっていたのかもしれない。…告白してもいなかったのに。



6月になり俺は32歳になった。
毎年6月になるとHIV検査をしていたので、今年も検査を受けに行き、そこで係員にこんな事を言われた。

「結果はこの通りです。HIVと梅毒は陰性ですが、どうやらクラミジアに感染してる可能性がありますね。早急に病院で検査してください。…あと、パートナーの方にも検査を進めてください。」

実際のところなんの症状も出ていなかったので、自分は身に覚えがあると言えばあるが、それがさとしと出会う前か、出会ってからか全くと言っていいほどわからなかった。


検査場からの帰り道、連絡が取れる範囲で今まで関係を持った男たちにクラジミアの事をメールした。
「俺が感染させたのか?」という奴もいれば「ちゃんと教えてくれてありがとう。」という奴もいて反応は様々だった。


そして最後の一人にメールをした。

「突然ごめんな。重要な話があるんだけど、今大丈夫か?」

宛先は…さとしだった。


俺とアイツの出会い10

  • by シュウ at 7月12日(月)21時34分
  • Number:0711190736 Length:4468 bytes

さとしからメールの返信が届いた。
「うん。いいよ。何があったの?」
「実は今日HIV検査の結果が届いたんだけど。…どうやら俺クラジミアに感染してる可能性があるんだ。もしかしたらさとしにも染してる可能性があるから、早めに検査してほしいんだ。」
「え、わかったけど…。彼氏になんて言おう。」
「付き合う前から感染していたけど、検査するまで気づかなかったでいいんじゃないか。」
「…うん。」

潜伏期間から逆算するとさとしへ感染させた可能性は低いかもしれない。だがアイツは今彼氏がいるし、俺も心配でしょうがなかったから連絡をしたのだ。
もし感染してたとして、彼氏がそれが原因で文句を言うならさとしの方から三行半を叩きつけてやればいいとも思ったが、まだ感染が決まったわけでもないのでさとしには伝えなかった。

翌日泌尿器科に行き、一週間後検査結果が届いた。

…結果は感染していないとの事だった。
後で調べたところ、クラミジアは風邪で強めの抗生物質を服用すると治る場合があるという事がわかった。
俺は風邪をひくと喉が腫れて高熱を出すので、いつも強めの抗生物質をもらっていたのは確かだった。


結果がわかったのでさとしにメールを送った。
「クラミジア検査の結果だけど、一応感染してなかったよ。」
「それは良かった。でもHIV検査は俺もしようと思ってたから検査行った場所教えてほしいな。」
まあ彼氏のいる身だし検査する事は重要だと思ったので、検査場の地図をメールしておいた。



数週間後仕事が落ち着いてきたので、さとしを食事に誘おうとメールを送った。
「あのさあ、今週でシフトあいてる日ある?ちょっと気になるメニューがあるので一緒に食べに行ってほしいんだけど。」
「うーん、一応火曜日があいてるよ。」
「一応?」
「うん。この前検査行ってきたから結果みてからなら平気だよ。」
「じゃあ火曜日の19時にファミレスで。」


翌週の火曜日さとしとファミレスで会った。
久しぶりに会うさとしは、1年前よりも少しだけ大人になっていたが肌のつやは相変わらずあって、ちょっとだけ細くなった気がした。まあ本人いわく「腹は凹まない(笑)。」との事だったが(笑)。

「検査場いって来たよ。…結果は。」
「…どうだった?」
緊張した面持ちで俺はさとしが次に言う事を聞く覚悟を決めた。

「…検査結果用紙忘れて聞けなかったよ。ハハハ。」
「バカヤロー!!(笑)」

本気で心配した俺がバカだった。もしHIVが陽性だったら「どんな病気でもさとしはさとしだ。」とか「それが理由で彼氏が文句言うなら、さとしから別れを告げてやれ。」とかいう用意は出来ていたというのに…(笑)。


その後は久しぶりだったにも関わらず、俺が食堂で見習いとして働いている事や、客にカワイイ子が来ると言う事、さとしの就職で目指しているメーカーの事、今後の注目作についての事などで盛り上がっていた、
俺が話した中でも肉体改造の事についてはかなり興味深々だった。俺は6月から肉体改造を行っていて現在体脂肪率が6%まで減らして腹筋が割れているボクサーの様な体格になっていたのだ。
「俺なんか腕とか胸が細くなったはいいけど、おなかの肉が全然減らないんだよ。よかったらもらってってよ。」
「とりあえず8月で俺が理想の肉体になったら方法を教えるよ。」
「えー、ちょっとだけでもいいからさ。」
仕方ないからちょっとだけ教えてやったが、「…バイトしてるからそれ無理だよぉ。」と子供のようにいじけてしまった。そういうところは出会った頃と全然変わってないなとほほえましく思った。


さとしが付き合っている彼氏の話をする時は、無邪気な子供のように本当に嬉しそうな顔で語るのだった。
「二人で電車に乗る時は、カバンでかくして手をつないでるんだ。」
「この前デートで水族館行ったんだけど、薄暗くてロマンチックだったから…なんかトイレでそのまましちゃった。」
…そういうところはやんちゃというかなんというか。まあさとしが楽しそうで良かったと思った。
もし1月の頃みたいに彼氏と上手くいってるかわからない場合は、「俺が奪ってやる」とか思っていたが、まあその心配もなさそうだった。


ファミレスで食事をした後は、俺が使っている加圧スーツを見せに二人でショッピングセンターに行った。
「彼氏とデートする時はこんな事するんだ。」とエスカレーターで俺の耳に息を吹きかけたり、わざとケツを触ってきたりした。
「やめろよぉ。」と口では言ったが、まあ子供のじゃれあいみたいなものだと思ってなんか微笑ましかった。


別れの時間がだんだん近づいてきた。
「さとし…今日は本当にありがとうな。」
「こちらこそ。良かったらまた遊ぼうよ。オンラインゲームでもいいし、また食事でもいいし。」
「また…会ってもいいのか?」
「うん。だって…シュウくんは友達だから。」
「そうか…。俺、さとしに感謝してるんだ。」
「なんで。別に何もしてないと思うけど…?」
「俺さあ、さとしと出会う前自信を無くしてたんだ。でもさとしと会ってから『年齢が離れていてもコミュニケーションはちゃんと取れるんだ』とか『俺もまだ終わってないんだ』って思えるようになったんだ。」
「そうなの?…なんか恥ずかしい。」
「俺…さとしの笑顔に何度も救われた。さとしの笑顔ってカワイイし、人を幸せにする力があるんだよ。」
「シュウくん…。」
「じゃあ、またな。」
「うん。またね。」


帰り道の夜風が心地よい夜だった。


俺とアイツの出会い 最終章

  • by シュウ at 7月12日(月)21時42分
  • Number:0711191019 Length:2208 bytes

この体験談を書いていて、当時のさとしの記憶がどんどんよみがえってきた。

ニコニコ笑いながら話すさとし。
飯をいっぱい食べるさとし。
体をピンクにして悶えるさとし。
雄になり俺を攻めるさとし。
いたずらっ子っぽく俺をからかうさとし。


そういやこんな事もあったな。
「なんでそんなにオレの事まじまじと見つめてるの?」
「…いや、カワイイなって思って。」
「オレがカワイイ?なんかマジでひくんだけど。」
「あ、そうなん?」
(俺ってもしかして言っちゃいけない事を言ったのか…。)

「ねえねえ、もうちょっと近くに座っていい?」
「うん、いいけど…っておい!膝の上に座るなよ。」
「いいじゃん、別に。」
「わかったよ。…なんか、さとしっていい匂いするな。」
「え、どういう匂い?」
「なんか口では説明できないけどさ。」
「変なの…(笑)。」



さとしと出会えたおかげで、俺が28の時に恋愛で負った傷はほとんど治ったと思う。
変わろうとする自信と勇気をくれたから…。


ただ、HIV検査の結果をまだ聞いていないと言う事がちょっとだけ心配だが、まあアイツなら大丈夫かと信じている。

彼氏とは会った事がないのでよくわからないが、これだけは言いたい。
「さとしから笑顔を失わせる事があったら、俺は絶対に許さない…。」

仕事についてはお互い苦労する事も多いが、同業種だけに相談したり時々愚痴ったりする事があってもいいと思う。

「相手が出来たらダブルデートしよう。」って言ってたよな。一応俺にも仲のいい人が出来たんだ。
相手は運送屋だから、メールすると「今宮城だよ。これから横浜帰るな。」とか「今日は埼玉で早く帰れるよ。」とか返ってくるから面白いんだ。
付き合えるかはまだわかんないないけどな。


「料理作ってあげるよ。」と言いながら、まだプリンしか作って無くてゴメンな。今度店のメニューを再現出来るように頑張るから。

我慢しきれず彼氏の前で泣けない理由があるなら、俺の家に来て泣いてくれて構わない。俺はそっと見守ってやるから…。

『友達だよ』って言ってくれてとっても嬉しかったよ。まあ俺もさとしは友達でもありながら、『親戚の子供』みたいに大事なヤツだと今でも思ってるからさ。…って事は俺はさとしにとって『親戚のオジサン』なのか(笑)?

「海に一緒に行こう。」って誘ってくれたけど、…俺って実は水泳苦手なんだ。水着になるのは大丈夫なんだけどさ。



一つの恋が終わり、さとしとの関係は変わったが、俺たちはまた違う距離でお互いを見つめて歩き始めた。

「思い出をありがとう」さとしに俺は心からそう言いたい。




長くなりましたが、御愛読頂いてありがとうございました。