中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪
- by 秋桜 at 7月16日(土)04時48分
- Number:0716044859 Length:4903 bytes
激しいエロスの内容は一切無いのですが、青春時代を思い出すと、今でも胸が締め付けられる、ほろ苦い思い出なので、共有できたらと思い、書くことにします。読みづらいかもしれませんが、似たようなことがあったなと共感し、読んでいただけたら嬉しいです。
中学一年生の頃。僕(名前はゆうき)は、入学式に参加が出来ませんでした。入院していました。命に関わる病気ではなく、少し前から片足が痛く、成長痛かと思っていたら、痛みが大きくなり、検査によると、急激な骨の成長により、関節、筋肉とのバランスが崩れて、、、という内容でした。成長が止まるまでは、杖を使うという思春期の少年にはショックでしたが、一生涯のことを考えたら短い期間だと、自分を励ましていました。そんなこんなで、入学式も出れず、病室で過ごしていました。入学式の翌日、担任の先生(H先生)が、病室に来てくれました。数学の担任で、野球部の先生の一人で、今年から新採用の23歳か24歳だと言っていました。笑顔が優しくて、杖くらい気にするなと肩を叩いてくれました。
ジグソーパズルをくれました。そして、、、数学の教科書。約二週間後、ようやく登校できるようになりました。杖をつき、学校に行く、、、。同情、哀れみのような周りの視線は痛かったです。クラスで自己紹介をして、席につきました。その頃には、一年生は皆、部活動に入部して活動をしていました。杖を使う僕に、入れる部活動は限られており、吹奏楽部を選びました。♪ 入ってみて、びっくりしました。三年生に一人男子部員が居るだけで、他に男子は居ませんでした。どうしようか迷いましたが、男子部員を募集していたとの事を熱心に言われ、心動かされ、入部しました。三年生の男子部員、I先輩は、とても喜んでくれました。楽譜の読み方、腹式呼吸の仕方などを丁寧に教えてくれました。でも三年生と一年生は、あまり接点も無く、それ以外は喋る内容も無かったです。そして遅れて入部した一年生の僕は、三年生が引退するまでは、打楽器担当になり、トライアングルを叩いていました。それが「可愛い」と女子部員たちから言われましたが、恥ずかしくて、くすぐったかったです。もし僕がストレートの男の子だったら、ばら色だったことでしょう。 I先輩はユーフォ二ウムの担当でしたので、打楽器の僕とは練習場所も違い、ますます接点がなくなりました。6月が近づき、僕は野球応援用の曲を覚えるのに一生懸命でした。♪ 野球応援は、感動しました。白球を追いかけている姿に、演奏そっちのけで、胸が熱くなりました。手がとまり、野球部の姿に心奪われてしまうことに、注意もされましたが、その気持ちも判ると言われました。
母校の野球部が負けてしまうと、涙が溢れてしまうことも、、、本当に純粋でした。僕は、そんなつもりはなかったのですが、野球部の人たちや、他の部活動の男子部員からは、僕が女の子とイチャイチャしている思われ、生意気だと言われたことも。吹奏楽部の同級生と一学年上には、女子しかいなかったから仕方なかったと思うのだけれど、思春期だから仕方ないですね。僕は、成長が遅く、当時は未だ152cm程と、背が低かったこともあり、ゆう、ゆうちゃんと呼ばれていました。他の部活動では先輩、後輩の関係が厳しく、ちゃんづけで呼ばれるなんてあり得ないと後に知りました。これも後に知ったことですが、吹奏楽部でも女子の先輩後輩の関係は厳しいとの事で、一年生で唯一の男子部員である僕には、甘かったようです。ある日の部活終了後、家路に向かっていると、運動部の二年生の男子たちが、からかってきました。「女好きだから、吹奏楽部に入ったんだろう」とか言われました。そんな時、小学校でも同じクラスで、中学でも同じクラスのS君が庇ってくれました。「ゆうきはそんな奴じゃない、誰にでも優しいから誤解されるだけで!」と。嬉しかったです。そして学校で遠足(郊外学習)がありました。杖でも大丈夫だろうと考え、心配しませんでした。気の緩みからか、帰り道に、杖が溝に入り、折れ、そのはずみで転び、頭を打ち、こぶができました。そのあたりの記憶が途絶えるのですが、気付いた時には騒然としていました。S君が大丈夫と泣きそうな顔を覗き込んでいました。H先生が、先頭から来て、僕をおんぶをしようと言いました。絶対に嫌だと言いました。中学生で、みんなの前で、おんぶをされるくらいなら、恥ずかしくて、死んだ方がましだとまで言ってしまいました。そしたら、「バカヤロウ、恥ずかしがっている場合か!!」と普段温厚な先生に真っ赤にして怒られました。そして有無を言わさずに、担がれました。僕のリュックサック、水筒は、S君が持ってくれました。自分のリュックだけでも重いのに、僕のリュックをお腹側に担いで運んでくれました。未だに感謝です。S先生におんぶをされ、生徒たちを追い越し、先頭まで行く道のりは、今では笑えますが、僅か数分とは言え、当時は地獄でした。くすくす笑いと、「赤ん坊かよ」というような中傷の声。でもH先生の背中は温かくて、心のようでした。次の日、学校に行くのが憂鬱でしたが、行きました。案の定、教室では自分のことが話題になっており、入った瞬間にシーンとして、机を見ると、大きくBABYと書かれていました。その瞬間に笑いが起きました。あえて、自分も笑い、周りはあっけにとられていました。そんな中、学級委員でもあったS君が教室に入り、僕は気にしていなかったのですが、僕の机に気付き、激怒をして「誰だ、書いた奴は?」と怒鳴りました。一人が手を挙げました、その瞬間に、S君が蹴り、相手が吹っ飛んでしまいました。あの温厚なS君がと、、、今度は僕があっけにとられ、「まずいって、手を挙げたら、、気にしていないのに。」と言いました。そしたら蹴られた同級生は、ごめんと言ってきました。そしたら、S君は、「手は挙げていない、足だ。」と言い、笑いがおきました。今でも集まりでは、話題に上ります。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ A
- by 秋桜 at 7月16日(土)10時27分
- Number:0716102731 Length:3308 bytes
その後、H先生が教室に来て、朝の学活が終わりました。授業が始まる前にH先生の所に言って、お礼と、心配をかけたことへの謝罪をしました。先生は笑顔で、僕の額を触り、「心配したぞ。こぶは、もう大丈夫みたいだな。」と言いました。僕は真っ赤になりました。そして先生が、「バカヤロウなんて大声で言って悪かったな。でも、ゆうきのことが心配だったことは判って欲しい。確かに、おんぶは恥ずかしいよな、、、?」と言いました。そして席に戻ると、S君も、先生を真似して、僕のおでこを触り、目が合い、お互いに笑ってしまいました。そしてリュックサックと水筒を持ってくれたことへのお礼を言いました。「おっ、気にすんなよ。」の一言でしたが、優しさに溢れていました。授業が終わり、部活動の時間です。I先輩も、昨日のことを知っており、大丈夫かよと聞いてきました。そしておでこを触りました。I先輩が引退後は、僕が彼のユーフォ二ウムを引き継ぐことになり、楽器を持たせてもらいましたが、重くて、バランスを崩しそうになり、彼が、咄嗟に楽器と僕を抱きしめました。どきっとしました。怒鳴られることを覚悟しましたが、「気をつけろよ。」の一言に、優しさを感じました。その後、母校の野球部は遠征試合が多く、野球応援のためぶ吹奏楽部も、あちこちの試合会場に行きました。あるときの野球場は遠くて、泊まりがけで行くことになりました。吹奏楽部の男子は、先輩と僕の二人だけなので、野球部と一緒の宿に泊まることになりました。I先輩は三年生なので、三年生の野球部員と同じ部屋です。僕は一年生、野球部の一年生のレギュラーメンバー以外は行かないため、僕が一緒に泊まるのは二年生ばかりです。苛められるだろうなと憂鬱でした。でもそれは、杞憂に終わりました。二年生と三年生の野球部の大部屋の二部屋は、ふすまで仕切られているだけの元は一部屋の大部屋でした。そして、今迄、僕をからかっていた二年生の野球部の先輩方も、一緒の部屋になると優しい人ばかりでした。そして吹奏楽部の女子部員について聞いてきました。
野球部@;「フルートを吹いているR子は、普段どんな感じ? 話したことある?」
僕;「R子?、、、T先輩ですね。優しい先輩ですよ。話したことはありますよ。この前、使わないメトロノームがあるというので、T先輩の家に取りにいきました。」
野球部@;「えっ、、、R子の家に行ったの?」
僕;「あっ、でも、玄関の前までですよ。」
野球部A「クラリネットのY子は、、、、好きな人はいるの?」などなど。
こういった会話の中で、自分が、疎まれていたり、からかわれていた理由も、判りました。 思春期独特の心模様だったような、、、たわいなくも、可愛くも思えます。僕が、この泊まり(合宿)で、苛められたり、殴られるのではと覚悟していたと話したら、先輩方は、「するわけねーだろー。」と大笑いして頭をぐりぐりしてきました。本来なら、野球と応援のための合宿なので、遊んだりはいけないのでしょうが、トランプをしたりしてくれました。このときにポーカーを教えてもらいました。未だ、携帯電話の無い良い時代でした。あとは、モノマネ大会になったり、好きな人の告白だったり。意外に、吹奏楽部の女子部員を好きな、野球部員は多く、これなら、僕が屈託なく、吹奏楽部の女子部員と、喋り、笑いあっていたら、ムカつくだろうなと納得できました。その後、野球部の人から、吹奏楽部の女子の誰々さんにと手紙をと、託されたこともありました。携帯電話の無い時代も、良かったですね。宿では、面白くて優しい二年生の先輩方でしたが、試合が始まると別人のように、顔つきも変わり、ユニフォーム姿も眩しく、ときめきました。試合に負け、涙している姿には、僕も泣けました。 今、振り返ると、青春そのものでした。二度と戻らない、眩しい日々でした。僅かなことに、喜び、哀しみ、誤解したり、ときめき、仲たがいしたり、、、たわいないけど、駆け引きなんて知らないで、まっすぐに生きていました。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ B
- by 秋桜 at 7月17日(日)00時13分
- Number:0717001343 Length:1128 bytes
もし僕の投稿を読んで下さって、感想を書いてくだされば嬉しいです。
(続き)野球部の先輩達との泊まりは、旅行のようで楽しかったです。二部屋を仕切っていた襖(ふすま)を開け、大きな一つの大部屋として、寝泊りし、三年生の先輩方とも話すことが出来ました。二人以外は、野球部だけの男の子だけの部屋でしたので、今思い返すと、ちょっとエッチな話しにいきそうな雰囲気になったこともありましたが、僕の手前、誰かが毎回、話題を変えていてくれました。それだけ僕が、未だ子供で、、、子供過ぎたからでしょう。今となっては、感謝です。生々しさの無い、綺麗な想い出として残せましたから。 野球部の先輩方には、可愛がってもらいました。ほっぺをつんつんされたり。冗談で「一人で寝れるか? 腕枕してやろうか?」と言われ笑いが起きたり。翌朝、起きると、「寝顔も可愛いな。」と面と向かって言われ、耳まで真っ赤になったり。 先輩方は皆、ストレートだったのでしょうが、僕は心がときめき、甘酸っぱい想い出です。僕の頬に触れた野球部の先輩方のごつごつとした深爪の手の感触とか、ぶっきらぼうな言葉の中に優しさがあったり。今の心の余裕があれば、「腕枕してやろうか」と言われて真っ赤になるのではなく、実際に腕枕をされて、更に周りの笑いを取ることが出来るのに、、、。本当に純粋でした。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ C
- by 秋桜 at 7月18日(月)05時37分
- Number:0718053702 Length:2162 bytes
水城さん、感想をありがとうございました。エッチな描写はないので、期待に添えませんが、他の方達にも読んでいただければ嬉しいです。
野球部の先輩達は、優しくて、良い想い出です。僕は、3月末に生まれたので、中学一年生の6月ごろは、中一というよりは、精神的にも、肉体的にも小6でした。当時から自分の性を自覚し、受け入れていたら、この合宿(泊まり)も、別の意味でも楽しめたのでしょうね。お風呂も皆で入ったことは覚えているのですが、僕は近視で、眼鏡を外すと、視界がぼやける上、お風呂場は湯気の熱気で霞がかっていたことしか記憶がありません。今思えば、ちょっともったいなかったかも???
この合宿で、印象に残ったこと一つが、野球部の部長さんの優しさでした。厳しい人だと聞いていましたが、優しい人でした。三年生の野球部部長が、一年生の吹奏楽部の僕にどうやって接していいのか、戸惑いもあったと、今では思います。しかも彼と僕との身長差は、20cm、もしくはそれ以上でした。
殆ど見上げて話していて、記憶が、、、。 それでも優しくて、「合宿つかれていないか?」「これ食べるか?」「アイス好きか?」とぶっきら棒なんだけど、優しさが溢れていて、頷くことしか出来なかった僕だけど、琴線に触れ、嬉しかったです。照れずに、笑顔で「はいっ」て言えば良かったですね、、、ちょっと後悔しています。 そして、吹奏楽部のミーティングのため、女子の泊まっている宿に行ってきました。自分の宿に戻り、野球部員に「何処に行っていたんだよ。」と聞かれ、女子部員の宿にミーティングで行って来ました。と言ったら、周りは色めきたっていました。今なら、思春期男子たちの心情も手に取るように判ります。当時、自分は子供でなんとも思っていなかったけど、ストレートの思春期の男の子たちからしたら、女子の寝泊りする宿は、興味はあっても行けないない場所でしたね。色めきたつのも判ります。(当時は、何で?と思っていましたけど。) あるとき、昼食後の自由時間に、うとうとして畳の部屋で寝てしまったら、ほっぺに違和感があり、はっと目を覚ましたら、ほっぺをつんつんされていて、真っ赤になりました。そしたら、「可愛いから、つい、、。」なんて言われて、更に真っ赤になり、恥ずかしくて、つい強い口調で「やめてください、子供じゃありません!」なんて言い返したけど、未だ子供でしたね。笑いが起きていました。今の知識と良識で、あの頃に戻れたら、もっと楽しめたのになとつい思ってしまいます。無邪気を許され、可愛がられる時期は、一生では本当に短いですね、、、。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ D
- by 秋桜 at 7月19日(火)09時57分
- Number:0719095759 Length:1395 bytes
今、思い返しても、あの合宿(泊まり)が一番楽しくて、可愛がられていたかも。ちょっとエッチなこともあったかなと、よく思い返してみると、、、あったようにも。(でも、この掲示板に投稿されている経験談に比べると、全然エッチとは言えませんね。)
お風呂に入る前に、僕が替えの下着を出しておいたら、誰かに「未だ、ブリーフなんだ。か〜わい〜。」と言われ、白のブリーフを手に取って、回りの人たちにまわされました。恥ずかしくて、
「やめてください。」と言ったら、「ヤメロ!」と一括してくれたのも、野球部の部長さんでした。合宿初日に「一人で寝れるか、腕枕してやろうか。」と受け狙いで、冗談で言ってくれたのも部長さんでしたが、今思うと、部長さんも、もしかしたら、ゲイ、もしくはゲイよりの人だったのかも。そういえば、ふとしたときに、目が合う回数も多かったですし、肩や背中にボディータッチが多く、よく頭を撫でてくれました。でも嫌な感じは全くせず、心地よかったです。ごつごつしていた手なんだけど、撫でられると心が満たされるというか、、、。当時は恥ずかしくて、その度に、体や頭をそらしましたが、もっと素直に行為を受け入れればと、後悔です。 あるとき、じっと僕を見て、「おまえ、あれに似ているな、、、リスに似ているって言われないか?」と言われ、赤面し恥ずかしくて、「人間ですよ!!」と言ったら周りに笑いが起きました。 今なら、「そうですか?」と笑顔で冷静に言えるのに、、、リスのモノマネでもするのに。 もしかしたら、あれが部長さんなりの、不器用な愛情表現だったのかも??? (この投稿を、読んでくれたかた達は、どう思いますか?)
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ E
- by 秋桜 at 7月20日(水)03時44分
- Number:0720034420 Length:3812 bytes
野球部と吹奏楽部の合宿も、後半になりました。約一週間とは思えないほど、楽しい時間でした。僕が、吹奏楽部の女子部員達が泊まる部屋に、ミーティング(主に反省会と、楽譜の確認)に行き、野球部男子の多い部屋に戻りました。その時、野球部男子の集まりに、「あのう、女子部員達が、今から、みんなでトランプ大会をしたいと言っていましたが、どうしますか?」と言ったら、「本当に?」「行く行く!」などと、色めきたっていましたね。
早速身づくろいとして、洗面所で顔を洗い、歯を磨いたり、、、今思い出しても、コミカルで、嬉しさが手に取るように判ります。今思うと、あれは現代風に言えば、「コンパ」「合コン」に近かったのかも、、、。
トランプ大会も、一通り終わり、今度は野球部員から、男女ペアになって、近くの雑木林に肝試しにいかないかと提案してきまました。僕は、断わりました。杖を使っていることと、遠足で、杖が溝に入って、転び、こぶができた痛い想い出があったからです。「怖いんだろう?」と冷やかされましたが、頑なに断わりました。
部長さんが、「俺がペアになってやるよ。」と言ってくれましたが、転んでこぶができたトラウマが強く、ましてや視界の良くない暗闇なので、断わりました。僕が、「部屋に居るから、みんなで行ってきてください。」と言いました。
部長さんが「俺も残るよ。一人にはさせられないからな。」
僕;「(ややムッとして)小さい子じゃないから、大丈夫ですよ!」
部長さん;「俺には、合宿の責任があるんだよ。本来なら、肝試しも反対なんだけど、みんな、合宿を頑張ってくれたし、、、。」ということで、部長さんも部屋に残ることになりました。
野球部員達は、笑いながら「部長は子守り、ご苦労さん!」などと言っていました。 子供っぽかった僕は、心配される感謝よりも、過剰に子ども扱いされることに、ややうんざりしてきました。目も合わせない気まずい雰囲気が流れました。
不意に、部長さんが、「おう、トランプやるか?」と聞いてきました。
「はい。」と感情なく言いました。僕が得意な婆抜きをしてくれました。二人で、婆抜きって、今思えば、楽しくも無く滑稽ですね。部長さんなりの、気の使い方、その不器用さが、今はキュンと来ます。子供(幼児)扱いされてむっとしてた僕の子供っぽかった感情も無くなり、部長さんと談笑をし始めました。部長さんが、肩を回したりし始めました。
僕;「痛いんですか?」
部長さん;「投げすぎて、ちょっと。ここの所、練習試合が多かったから、、、。」
僕が部長さんの肩に触れ、予想上に熱かったので、
「熱いですよ。冷やしましょう。シップ薬は?」
部長さん;「ちょっと切らしている。」
僕;「食堂の冷蔵庫(冷凍庫)に氷があったら、タオルに包んで、冷やしましょう。」
運良く、氷が残っており、タオルで包んで部長さんに渡しました。自分では冷やし辛そうだったので、腹ばいに寝てもらい、肩と背中を交互に氷の入ったタオルで冷やしました。僕なりの精一杯の、感謝と、肝試しに行かずに残ってくれた部長さんへの申し訳なさと、恩返しだったように、今は思います。
部長さんは、「ありがとう、ありがとう。」と何度も言い、
「お前、本当に誰にでも優しいよな、、、可愛いな。」と言うので、
「そんなに優しくないし、、、可愛くないですよ。」と言い返しました。当時、大人に憧れ、子ども扱いをされることが嫌で仕方なかったあの頃、、、素直に受け入れる優しさがあったら。
今思うと、部長さんが優しい人で良かったです。もし本当に、部長さんがゲイで、性的な意味で僕を好きで、他の方の投稿にあるように、無理にでも僕をものにしようとしていたら、誰も居ない二人だけの宿の部屋は、危険だったことでしょう。
部長さんとは、氷で冷やしながら色々と話しました。本来は、部長になる予定は無かったこと。野球は好きだけど、指示を出したりするのは、苦手であることなど。「俺のことを怖いと思っていただろう?」と不意に聞かれ、つい「はい、、、えっ、そんなことは、、。」としどろもどろに応えてしまいました。先輩;「いいんだよ。怖がられているのは知っているから。でもそうしなければ、部が締まらないから。」と、ちょっと哀しそうな瞳が印象的でした。なぜか、涙が出そうになりました。「ごくろうさん、だいぶ肩が楽になったよ。ありがとう」と部長さんが笑顔で言い、僕の頭と肩をポンポンと触りました。お互いに目が合い、照れくさくなりました。
嬉しさ、照れくささ、ときめき、尊敬、緊張の混じったあの思春期独特の感情だったのでしょうか、、、。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ F
- by 秋桜 at 7月21日(木)05時22分
- Number:0721052240 Length:1724 bytes
(僕の投稿の感想や質問があれば、応えます。)
憂鬱だった合宿がこんなにも、楽しい想い出ばかりになるとは思っていませんでした。部長さんのお陰でした。
僕は、合宿中に毎晩、実家に電話をしていました。
当時は、携帯電話も無い時代で、テレフォンカードで公衆電話からでした。
部屋に戻ると、お約束で「パパとママに電話か。ホームシックか。」と野球部員にからかわれました。 そんな時、一括をしてくれたのも部長さんでした。「お前らも、実家に電話しろよ。」と。「やけに、部長はゆうき(ぼく)のかたを持つよな。」と言う声もちらほら。
合宿が終わり、学校のグラウンドに着き、部長が「解散」と言って別れました。 部長さんは僕に、「疲れていないか。またな。氷で肩を冷やしてくれありがとう。」と笑顔で言いました。 僕は、寂しくなって 「、、、部長が居て良かった。ポーカーと顔しえてくれて有難うございました。」というのがやっとでした。頭と肩をポンポンと叩いてくれました。 振り返ると、夕日の下で、手を振ってくれていました。戻りたかったけど、泣きそうだったので、そのまま歩きました。
家に着き、部屋に入ると、急に寂しくなり、ベッドに横になりました。
部長さんの、言葉がこだましました。僕は、まだ当時は、二次成長を迎えていなかったので、体の反応は無かったのですが、胸がときめき、じっとしていられないそんな感情でした。 それまでも、H先生におんぶをされたり、I先輩に、楽器と一緒に抱きしめられた時も、ときめきましたが、今回のは、全く違いました。
翌日の楽譜をおさらいして、ベッドに入りました。
部長さんの肩は、良くなったかなと、思いながら、祈りながら、、、。
翌朝起きると、更に寂しさを感じました。
前日までは、合宿中で、僕の隣の布団は、部長さんだったからです。
部長と言うことで、一番最初に起きていた部長さんなので、殆ど毎日、
僕を起こしてくれていましったっけ、、、。そのお陰で、洗面所もゆっくり使えました。夏休み中に、もう一回、合宿があればなんて、祈っていました。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ G
- by 秋桜 at 7月21日(木)10時50分
- Number:0721105031 Length:1718 bytes
野球部と吹奏楽部の合宿が終わり、ぽっかりと心に穴が開いてしまったようでした。 翌朝、部活動に参加するために、道を歩いていると、朝顔と向日葵が。中学一年生だった僕の夏は、始まったばかり、、、。道の途中で、クラスメートで学級委員で、バスケットボール部のS君に会う。
S君;「合宿どうだった? 辛かった?」
僕;「全然、、、。」の一言だけ。詳しく話したかったけど、あの想い出を自分だけのものにしたかった。
S君;「ゆうきどうしたの? ちょっと変わったみたい、、、。」
僕;「そう?」 暫くの沈黙。
不意に、S君が僕のおでこを触った。そして「こぶの跡はすっかり消えたな。良かったな。」と言って、いつものように、はにかみあって笑った。音楽室に着くと、新しい楽譜、野球応援のための曲「タッチ」を貰った。部長さんの笑顔を思い出した。
この曲から、ユーフォ二ウムを吹けることになり、I先輩が付きっ切りで教えてくれた。数日後、合奏と応援を兼ねて、野球部の練習中に、野球場で「タッチ」を吹くことになった。一生懸命に、思いを込めて吹いた。休憩時間に、野球部の部長さんが来てくれた。「この楽器かっこいいな。重そうだけど大丈夫か。この曲好きなんだよ。」と言ってくれました。
僕;「先輩にぴったりな曲だと思います。」
部長さん;「そうかな、、、照れるな、、。でもありがとう。」合宿中のように、僕の頭と肩をポンポンと叩いてくれました。 その言葉を聞いた後、地に足が着かない、頭がぼーっとする感じでした。自分が自分でない、嬉しいのだけど苦しくなる、、、恋心だと気付くには、幼すぎました。I先輩は、部長さんとクラスメートです。そのI先輩が、「あいつのあんな笑顔みたことないな。ゆうきとあいつは、気が合うんだな。」と言われ、赤くなりました。思わず、「I先輩と僕も合いますよ。」と言ったら、「そうだな。」と言って、はにかみ、ほっぺを触ってきました。 野球部の部長さん、吹奏楽部のI先輩、クラスメートのSくん、三人三様にタイプは違いましたが、優しくて素敵な人たちでした。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ H
- by 秋桜 at 7月22日(金)02時14分
- Number:0722021447 Length:1524 bytes
今までは、割と綺麗な淡い思い出ばかりですが、今回は、今は笑えますが、当時は辛かった記憶を。 ある日の夏休みの午前中、いつも通り、野球場で合奏練習が終わりました。ユーフォ二ウムは、複式に力を入れて音を出すので、踏ん張りすぎて、尿意をもようしてきました。楽器を片付け、ケースに入れ、野球部の部室と夏の間は共有なので、ロッカールームに楽器を置き、再び外に出て、トイレに急ぎました。曲がり角のところで、不運なことに、野球部員にぶつかりました。僕はしりもちをつきました。そしてはずみで、、、漏らしてしまいました。更に不運なことに、近くに、部長さんをはじめ、沢山の野球部員、吹奏楽部員もいて、僕の失態は、知れ渡りました。僕は、漏らしたショックと、沢山の学生が周りに居て、知られたショックで、泣いてしまいました。急いで帰宅しました。翌日は、流石に恥ずかしくて、気まずくて休みました。これで、もう部長さんも僕に幻滅し、僕も恥ずかしくて話せないなと落ち込んでいました。もう行きたくないなと鬱々していました。部長さんが、僕にぶつかった野球部員と一緒に家に来ました。「気にするなよ。明日から来いよ。」とだけ言ってくれました。いつものように、僕の頭と肩をポンポンと叩き、にっこりしてくれました。吹奏楽部のI先輩も来てくれて、「待ってるからな。」とだけ言って僕のほっぺを触ってきました。勇気を出して、翌日から行きました。
野球部との共有の部室では、案の定、「おもらし小僧」、「次の合宿には、オムツが必要だな、おまえは。」などと言われましたが、前日の部長さんの言葉と笑顔が支えとなり、「そうですね、忘れずに持って行きます。」と笑いながら言って、その後は、あまりからかわれなくなりました。部長さんの「おう、来たな。」という声に、どれだけ嬉しかったか、、、。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ I
- by 秋桜 at 7月22日(金)21時59分
- Number:0722215908 Length:1603 bytes
野球部の部長さんは、いつも変わらない笑顔で、僕を見てくれたんだけど、僕は急に恥ずかしくなって、うつむきました。 アクシデントとはいえ、部長さんの目の前で、一昨日、漏らしてしまったので、当然と言えば当然ですね。 部長さんが「おう、どうしたんだよ?」 僕;「僕、未だ恥ずかしくて、、、あんなことをしたから。」部長さん;「あんなことくらい気にするなよ。ゆうきも、可愛い後輩だ。」僕;「お漏らしをした僕でも?」 部長さん;「お漏らしをしたゆうきでもだ!」 狭い部室で、、、お漏らしという言葉を連呼し、気付いたら周りは大笑いをしていました。今思うと、あれが部長さんからの愛の告白とも思えなくもありませんが、、、考えすぎですね。 部長さんの言葉は嬉しかったのですが、それでも恥ずかしくて、、、。青春の一ページと今は、言えますが当時は、、、。同じクラスの野球部の友達が言うには、部長さんは本当に厳しい人だという事でした。その友達が、遅刻して行ったら、壁を蹴られたそうです。それを考えると、合宿中から、僕に沢山、優しくしてくれたり、今回のお漏らしでも庇ってくれたというのが、特別な感情に思えてきました。でも自分から、確かめる術は無く、確かめたいのに、確かめるのが怖い、そんな日々でした。当時、下駄箱に手紙が入っていたことがありました。(下駄箱と言うのが時代ですね、、、。) 部長さんの筆跡ではない、男の子の筆跡だったのですが、男の子から男の子へのラブレターと言うのが、当時は悪戯としか思えず、何より自分の性に気付いていなかったこともあり、指定された場所に行きませんでした。今思うと、「オムツが必要だな、お前は。」などと合宿中にもやたらに僕にちょっかいを出しきた野球部の先輩、もしくは、クラスメートのS君とも思えないでもありませんが、永遠に確かめることは出来ない、青春時代の謎です。案外、本当に悪戯だったとも考えられます。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ J
- by 秋桜 at 7月23日(土)16時45分
- Number:0723164515 Length:2810 bytes
その年の母校の中学校の野球部は、割と強豪らしく、色々な学校から練習試合(招待試合)を申し込まれていました。
8月の最初の頃、二泊三日で、泊りがけで試合が決まりました。そして僕たち吹奏楽部員達も応援のため、同行することに。祈りが通じたと神様に感謝しました。(当時は純粋でした、、、。) また部長さんの隣で寝られるかもと喜ぶ反面、絶対に、あのお漏らしのことをからかわれる(弄られる)なと、憂鬱でもありました。 バスに乗り、インターチェンジなどで止まる度に、野球部員からは、「ゆうき(僕)、トイレ行って来いよ。」と笑いながら言われました。僕も笑いながら、「はい。」と応えました。泊まる部屋に着きました。誰かが「ゆうきは、一番ドアの近くだな。」と言いました。「オムツ忘れずに持ってきたか。」と余りにも弄られたので、ちょっと反発がしたくなって、拗ねた振りをしたら、「あっ、ごめんごめん、言い過ぎた。、、、おまえが、、、かわいいから、、、つい。」なんて弁明され、うやむやになりました。
でも言われたとおり、ドアの近くに寝ることになりました。部長さんからは遠いですが、同じ部屋なのでと、自分を励ましました。今回の隣は、吹奏楽部のI先輩でした。気心が知れているので、楽と言えば楽でした。「オヤスミなさい。」と言って目を閉じたら、I先輩が笑っていたので、聞いたら、「オヤスミなさいって、、、家族みたいだな。」と言って、僕も「あっ、そうですね。いつもの癖で。」と言って笑いました。そしたらいつものように、僕のほっぺを軽く触ってきました。そして頭を撫でてくれて、微笑んで、目を閉じました。でも、ドア(ふすま)側の布団は、絶えず、誰かがトイレに行ったり、水を飲みに行ったりと、眠くなると起こされる、そんな感じで、居心地は悪かったです。初めて知りました。前回の合宿は、窓側で恵まれていました。ドア側が避けられる理由が判りました。
それを配慮して、I先輩が、僕の布団をI先輩側に寄せて付けてくれました。その後、眠りについて、起きたときにびっくりしました。
なんと、、、僕はI先輩の布団に寝ていました。聞くところによると、僕が寝ている間に、転がってきたそうです。僕は恥ずかしくなって、「起こしてくれればよかったのに!」と言いました。I先輩は、「ゆうきは小柄だし、起こすのも可哀想だし、寝顔を見ていたら、こっちも眠くなって。」と言いました。顔が真っ赤になるのが自分でも判りました。何故なら、起きたときに、殆ど添い寝常態でしたし、、、腕枕こそされていないにしても、、、。お漏らし事件に続き、一人で寝られないなんて噂が出でもしたらと、心配でした。部屋の人たちは事情を判っていたので、それはその場でおさまりました。部長さんだったら、もっと嬉しかったのにと、ふと思いました。 部長さんは、とっくに起きていて、「おはよう。よく眠れたか。今日も頑張ろう。」と言って、肩と頭をポンポンといつものように軽く叩いてくれました。今回は、笑顔で「はい。」と応えられました。部長さんの両目に小さい僕が映っていました。 そんな時、ちょっかいを出す野球部員が、「今日は、漏らしていないな。良い子だ!」と冗談を言い、咄嗟に「おねしょなんかしないですよ!!」と反論し、笑いが起きました。せっかく、部長さんと瞳で会話をしている時だったのに、、、映画のようには行かないですね、、、。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ K
- by 秋桜 at 7月24日(日)10時14分
- Number:0724101441 Length:3673 bytes
野球部の部長さんにときめいていた僕だけど、
アクシデントとはいえ、添い寝をしてくれていた吹奏楽部のI先輩のことも、意識しだしてしまいました。前日のように、気軽に話しかけられなくなってしまったというか。スキンシップの一つで、I先輩が僕の頭とほっぺを触ると、赤くなるようになってしまいました。以前ほどは、無邪気にじゃれあえなくなりました。今、思い出しても、もどかしいです。
土曜日の午前中に、野球応援のリハーサルの合奏があり、午後から、野球の招待試合が始まり、合奏に集中しましたが。気がつけば、野球部の部長さんの姿ばかりを見ていました。怪我をしませんと祈りながら、、、。試合も終わり、応援の合奏も終わり、宿に戻りました。
お風呂に入り、夕食も終わり、譜面のおさらいと、楽器の手入れをしていました。「お前には未だオムツが必要だな。」などと、僕をからかったり、冗談を言う、ムードメーカーの野球部の先輩が、その時は無口でした。辛そうだったので、声をかけました。
野球部員;「腰が痛くて、、、さっきひねったかも、、。」
僕;「大丈夫ですか。 座布団を持ってくるので、横になってください。」
座布団を3枚ひき、横になってもらいました。
野球部員;「ありがとう。お前、優しいな。 ごめんな、からかったりして、、。」
僕;「ああ、もういいですよ。悪気がないのを知っていました。」
野球部員が、微笑みました。
部長さん;「(野球部全員に)これから、野球のミーティングと反省会をするから、ロビーに集合!」
野球部員; 「腰をひねって、痛くて、、、ごめん、俺、行けない。」
部長さん; 「大丈夫か?、、、わかった、気をつけろよ。 ゆうき(僕)、頼むな、、、」
僕は、部長さんに頼りにされたことが、嬉しくて、「はいっ」と言っていました。 部長さんの優しい両目の奥に、小さな僕が映っていました。
野球部員; 「少し痛くなってきた、、、。」
僕は、彼の腰を触ったら、熱を帯びていました。 前回の合宿時の部長さんの肩のようでした。「熱いですよ。シップを貼りましょう。」
野球部員; 「こんなこと初めてで、もってきていない。」
僕; 「僕も持っていないし、、、食堂に行って、氷があったら貰ってきますね。
野球部員;「悪いな、、、。」
食堂は、まだ開いており、事情を話し、氷を貰ってきました。ビニールに入れ氷嚢のようにしまして、彼に渡しました。
腰なので、腹ばいに寝てもらい、腰の上に氷嚢を乗せましたが、滑り落ちてくるので、僕が氷嚢を手に持ち、腰に当てました。
野球部員;「ありがとう、、、ゆうきのことをからかっていた自分が恥ずかしいよ、、、。俺、末っ子だから、、、ゆうきを見ていると、、、かわいくて、面白くて、つい、、ごめんな。」
僕; 「そうだったんですか、、、。もう気にしていないんで、、、。」
野球部のミーティングと反省会も終わり、皆が戻ってきました。
部長さん;「(横になっている野球部員に)おい、大丈夫かよ?」
野球部員; 「ゆうきが氷で冷やしてくれたから、少し楽に、、、。」
部長さん;「(僕に)ご苦労さん、ゆうきがいてくれて助かったぞ。」と言って、ウインクをしてきました。
僕は、部長さんが、そんな茶目っ気のあることをするとは思わず、心にズキュンと来ました。 天使が弓矢を打ち、僕の心に弓矢が刺さったという感じでした。 耳まで真っ赤になっていくのが、自分でも判りました。部長さんも、柄でもないことをしたと思ったらしく、少し照れていました。ウインクをしたことは、一瞬だけだったので、僕と部長さんだけか知りません。二人だけの秘密です。 消灯時間も近かったので、自分の布団と、怪我をした野球部員の布団をひいて、早々と布団に入りました。目をつぶると、部長さんのウインクを何度も思い出して、顔がほころびました。
隣の布団の吹奏楽部のI先輩;「なんか、いいことあったのか?」と聞いてきました。
僕;「何もありません。 おやすみなさい!!」と布団を被りました。
I先輩;僕の布団をめくり、「なんかあっただろ、言えよ。」と笑いながら言ってきました。「言わないと、こうだぞ。」とくすぐってきました。
僕;「ほんとうに何もないですよ。(咄嗟に)もし今晩も、僕が先輩の布団に無意識に転がって行ったら、起こしてくださいね。」
I先輩;「どうしようかな、、、。」と頭とほっぺを撫でて、寝ることになりました。
たわいのないことだけど、幸せな日々でした。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ L
- by 秋桜 at 7月25日(月)02時15分
- Number:0725021541 Length:3007 bytes
翌朝(日曜日)に目が覚めると、
今回は、運良く自分の布団に寝ており、ほっとしました。
視線を感じました。隣の布団のI先輩が既に起きており、僕を見ていました。「おはようございます。」と言うと、
I先輩が、「おはよう。」と言って、頭を撫でてきました。
周りは寝ている人が多かったので、空いている内にと思い、洗面所に行きました。歯を磨き、石鹸で顔を洗い、泡を落とし、目を開けると、野球部の部長さんが隣の洗面台を使っていました。白色のT-シャツが眩しかった、、、。「あっ、おはようございます。」と言うと、
部長さんが「おはよう。今朝は早いな。よく眠れたか?」と聞いて、頭を撫でてきました。身長差が20cm以上でしたので、見上げながら、「はいっ。」と笑顔で言ったら、部長さんも笑顔で返してくれました。何か話したいのだけど、言葉が出ない、そんな感じでした。そして、他の野球部員が、洗面所に来ましたので、僕も洗面道具を片付け始め、その場を離れました。
朝食後は、午後にバスが来るまで、自由時間でした。散歩にでも行こうかなと思っていたら、僕のクラスの担任であり、野球部の顧問でもあり、今回の遠征に引率をしていたH先生が、部屋に来ました。
打ち上げも兼ねて、近くの喫茶店に、みんなで行かないかと提案をしてきました。野球部員15名ほどと、H先生、そして吹奏楽部のI先輩と僕の総勢、20名ほどで喫茶店まで歩きました。
団体客用のテーブルに着きました。僕は、H先生の隣でした。僕は、オレンジジュースが飲みたかったのですが、背伸びをしてアイスティーにしました。 H先生が聞いてきました。「ゆうき、合宿は楽しかったか?」
僕;「はい、楽しかったです。
」H先生は、「そうか、良かったな。」と頭をポンポンと撫でて微笑みました。
H先生;「(野球部員たちに向けて)おまえら、ゆうきの前で、普段、平気で話しているような、あんなことを話したり、変なことを教えなかっただろうな?」
誰かが冗談で「あんなことって、どんな話ですか?」と笑いながら言い、
H先生;「だから、、、あの、、ここでは言えるわけないだろ。」と、しどろもどろになり、笑いが起きました。
僕も、H先生の「あんなこと」の意味が、薄々ながら気付き、赤面していきました。
笑いもおさまり、それぞれの隣の人と話したりしていました。
ふいに、近くに座っていた部長さんが、
「ゆうき、アイスコーヒーも飲んでみるか?」
と部長さんのアイスコーヒーを僕に、手渡してきました。
僕;「うん、、、あっ、、、はい。 僕のアイスティーも、どうぞ。」と言って、手渡しました。
硝子のグラスに入った部長さんのアイスコーヒー。 グラス越しのキス。
心が、ときめきました。12歳の僕の、きらきらした想い出です。
周りでも、それぞれの飲み物を交換していたので、
何でもないことだと、冷静を装うとするんだけど、頬が高揚していきました。部長さんと目が合い、微笑んでくれました。僕は嬉しいんだけど、、恥ずかしくて、気付かない振りをしてしまいました。
部長さんが唇をつけたグラスに、僕が唇をつける、そして、そのグラスをまた部長さんが唇をつける、、、考えすぎと思えば思うほど、心がときめいて、高鳴って、、反比例するかのように、頭の中はぼんやり、目がトロンとしてくる感じでした。
喫茶店でのひと時も過ぎ、宿に戻り、帰り支度を始めました。
そんな時も、部長さんもI先輩も、「忘れ物はないか?」と気にかけて(心配して)くれました。子ども扱いされることが、嬉しくもあり、やや恥ずかしかったり。声変わりもしていなかった僕なので、子ども扱いされても仕方ありませんでした。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ M
- by 秋桜 at 7月26日(火)09時55分
- Number:0726095533 Length:4977 bytes
(続き)僕は、もしかしたら野球部の部長さんも僕のことを好きなのではと思い始めました。でも、当時12歳の僕には、同性愛という知識もありませんでしたし、何より、いけないことだと思っていました。
セックスという言葉は知っていましたが、保険体育で習ったことであり、遠い存在で、大人がすることだと漠然とした知識しかありませんでした。身近に感じることはありませんでした。でも、野球部の部長さんの背中を見ていると、心の中で何かが疼き、触れてみたいという感情がでましたが、出来ませんでした。部長さんが、会うたびに、僕の頭と肩をポンポンと撫で、僕が部長さんを見上げ、彼の両目に小さな僕が映っているのを見ると、心が満たされていきました。部長さんとは、タイプの違う、吹奏楽部のI先輩にも、心を惹かれている自分もいました。彼が、僕の頬を、やはり会うたびに、触れると、照れながらも、顔を反らす素振りを見せながらも、やはり嬉しかったりも。あるとき、I先輩に聞きました
僕;「なぜ、僕の頬を触るのが好きなんですか?」
I先輩;「ぷくっとしてるから、、、もう触られたくない?」
僕;「触られると、、、、なんか、恥ずかしくて。 それに、合宿の時、I先輩の布団に、僕が寝ているときに、転がっていってしまって、そのまま朝まで寝ていたのが、未だ恥ずかしくて。狭くて、先輩も迷惑だったでしょ?」
I先輩;「ぜんぜん、、、むしろ、来てくれて嬉しかったかな。それまで、どことなく、遠慮があって、慣れない敬語を使って、打ち解けていない感じがしてたから。」
僕;「(赤面しながら)えーっ、本当ですか。狭くて、先輩は寝れなかったんじゃないですか?」
I先輩;「狭かったけど、嬉しかったかな。」と言って、頭を撫でてきました。
I先輩は、僕のことを同じ楽器を吹く後輩として可愛がってくれているのか、それとも別の感情で好きなのか、、、野球部の部長さんのことも誰にも相談できず、僕の12歳の心は、メトロノームのように、揺れていました。
浮かれすぎていた僕を、打ちのめす事が起きました。
夏休み中のある日、夕方、家の近くの雑木林を近道のため、歩いていました。目の前を、中年男が歩いてきました。明らかに、自分に近づいてきました。それでも、自分を通り過ぎたので安心していたら、突然、後ろから抱きつかれました。羽交い絞めに近く、あまりに咄嗟のことで、身動きも出来ない、声も出ない、出せない、そんな感じでした。でも、身の危険だけは感じていました。 運良く、クラスメートで学級委員のS君も、その雑木林の近道を歩いており、何かを察したらしく「おい、何してるんだ!」と声をあげ、その中年男は、逃げていきました。僕の眼鏡とナップザックは、土の上に落ちており、T-シャツは引っ張られたらしく、襟首のところが伸びており、二の腕には、掴まれた跡が残っていました。僕は、ショックと恐怖で、しゃがみ、暫く動けませんでした。恐怖で、涙が溢れてきました。S君は、背中を摩ってくれました。
S君;「歩ける? 歩けなかったら、おぶろうか?」
僕; 「大丈夫、歩ける。ありがとう、、、。」
S君;「このこと、警察や先生に言おう。」
僕; 「ちょっと、まって、、、。未だ何が起きたんだか、こんがらがっていて、、。」
S君;「家に来て、相談しようか。家に電話すれば、ちょっと遅くなっても大丈夫だと思うよ。」
僕; 「そうだね、家、近いし、、、。」
その後、S君の家に行き、S君の部屋に入り、今日起きたことをどうするか、相談しました。僕は、こんなことが他の人に知られたら、好奇な目で見られるから忘れたいと伝えました。 正義感の強いS君は、もし、S君が通らなかったら、どうなっていたかと正論を言い、次の被害者が出るかもしれないから、言うべきだと言いました。その間も、未だ恐怖の中、青ざめ、涙を浮かべていた僕の背中を、摩ってくれていました。結論としては、警察には言わず、学校には伝える、でも抱きつかれたことは言わず、追いかけられたとだけ伝えることになりました。学校側からは、男の子だけではなく、男の子と女の子の両方に気をつけるようにと伝えて欲しい。この雑木林は危険なことを伝えるなど、やや事実を変えて伝えることになってしまいました。その後、S君は、心配して、僕を家まで一緒に歩いてくれました。それから暫くは、一人で歩くのが怖く、後ろに歩いている人がいるだけでも、怖かったです。そんな僕の心を察し、翌朝、S君が僕の家に迎えに着てくれました。
S君はバスケットボール部、僕は吹奏楽部と、部活は違っていても、練習開始時間は同じなので、助かりました。
帰りも、一緒に帰ってくれました。バスケの上手い快活なS君は、友人も多く、一緒に帰りたがっていた女の子達もいたのに、、、。僕のために、しかも大きな秘密を共有させてしまいました。
僕は、部活では平静を装いましたが、I先輩が、いつものスキンシップで僕の頬を触った時に、びくっとしました。その後も、僕の空元気に気付いたらしく、休憩時間に、二人になり、何かあったのかと聞いてきました。
まっすぐに目を見られ、嘘をつけないと察し、泣きそうになりながらも、話しました。みるみる内に、I先輩の顔が怒りに満ちていくのが判りました。初めて見る表情でした。僕が、雑木林を一人で歩いていたことや、無防備なことを責められるのかと覚悟しました。その瞬間、僕の体を引き寄せ、ぎゅーっと抱きしめてきました。
戸惑いながらも、見上げると、涙を流していました。僕も緊張の糸が緩み、涙が出ました。抱きしめながら、頭と肩を撫でてくれました。嬉しかったのだけど、照れくさくて、「先輩、苦しい、、。」と言いました。そして予想外の言葉が来ました。「ごめんな、、、。守ってやれなくて、助けてやれなくて、、、。」
I先輩が、僕に謝ることなんて何も無いのに、、、僕は、また涙が出てきました。そして、I先輩の胸に顔をうずめました。その後、洗面所で顔を洗い、I先輩に、微笑みました。いつもどおり、頭を撫でてくれて、部活に戻りました。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ N
- by 秋桜 at 7月26日(火)15時23分
- Number:0726152313 Length:3523 bytes
(続き)僕の心は、少しずつですが、平穏を取り戻していきました。
それでも、後ろで物音がすると、ゾクッとしていました。
S君は、学校に行く時も、帰る時も隣に居てくれました。あえてあの事には、暗黙の了解の如く、触れないでいてくれました。
でも、僕は、S君が隣に居てくれることに感謝すると同時に、S君と会う度に、あの出来事を嫌でも思い出し、内心辛かったです。あるとき、何気なく、S君に言いました。
僕;「S君、僕はもう大丈夫だから。S君と話しながら、帰りたい友達が沢山居るから、その人たちと帰ったら? 僕なんかと毎日、一緒に居ても、、、。」
僕なんかという言い方にひっかかったらしく、温厚なS君が声を荒げました。
S君;「僕なんかって、どういう意味だ? 俺は、ゆうきの隣にいたいからいるだけだ。無理に話なんかしなくったっていい。 気にするな。」
僕;「(涙声で)気にするなって言ったって、気にするよ。S君は大切な友達だし。それに、、、S君を見ると、あのことを思い出して辛い。そしてあの時に、S君がいなかったらと思うと、もっと怖い。」
S君;「(涙声で)ごめん、、、そこまでは気付かなかった。」
僕;「何で、S君が僕に謝るの? 僕が全部悪いのに。一人で、薄暗い雑木林を歩いていたから、あんなことに、、。」
言い終わる前に、僕をギュッ抱きしめていました。
「もう言わなくていい。思い出すな。」S君も泣いているようでした。
次の日の朝、もう来てくれないかなと予想していたら、家の前に来てくれました。
「今度は、僕がS君の家に、迎えにいくね。」と言ったら、「おう」と言って、はにかんでいました。
いつも通りに、早めに、野球部の部室に着き、僕の楽器、ユーフォ二ウムをケースから出し、組み立て、誰も着ていない静かな部室なので、今日の合奏のための楽譜を開き、おさらいをしていました。野球部の部長さんが、僕の後ろに来ていることに気付きませんでした。
部長さんが、僕の肩に手を乗せるのと同時に、
「おはよう。」と言って来ました。
前迄の僕なら、驚くことも無かったのですが、雑木林であんなことがあったので、今回は、飛び跳ねてしまいました。
飛び跳ねた僕に、部長さんが驚き、
部長;「どうしたんだよ?」
僕; 「なんでもありません、、、驚いただけです。すいません。」と言いながらも、体は小刻みに震え、顔からは冷や汗が、、、。
部長;「ゆうき、最近、合宿から戻って来てから、何か変だぞ。俺、何かしたか?」
僕;「何も、、、。」
部長;「正直に言えよ。俺のこと、やっぱり怖いか?」
僕;「、、、判りました。正直に話します。驚かないで下さい。
野球部でも、最近、顧問から話がありましたよね? あの雑木林は危険だから入るなって。なるべく一人で下校するなって。」
部長;「ああ、あったよ。」
僕;「雑木林で、変な男の人に追いかけられた学生は、僕なんです。追いかけられんじゃなくて、本当は、突然、後ろから羽交い絞めにされて、、、。」
部長;「嘘だろ、、、。羽交い絞めにされて、、あの、、もしかして、、。」
僕;「ううん、クラスの友達が通りがかって助けてくれたから、なんとか、、。 でも、今でも、後ろに誰か居ると怖くて、さっきみたいに肩に突然、手が触れただけでも、未だ怖くて、、、。ごめんなさい。」
部長;「謝るなよ、、、。俺、全然、知らなくて、、、ごめんな。 それでいつ、そんなことが、あったんだよ?」
僕;「二回目の合宿から帰ってきた後、直ぐ、、、。」
部長;「バカ!! 何で直ぐに言わなかったんだよ!!!」
声を荒げていました。
僕;「だって、、、恥ずかしくて、誰にも知られたくなくて、、、未だ怖くて、、、先輩にも心配をかけたくなくて、、、。」涙声になりました。
部長さんが、「かわいそうに、、、怖かったよな、、、。」と言って、
ギューッと抱きしめられました。部長さんの胸で、涙が出ました。
部室の入り口の方で物音がして、野球部員が来たようでした。
部長さんは、僕を体から離し、「今日も一日、頑張ろうな」と言って、
いつものように、はにかみ、僕の頭と肩をポンポンと撫でました。
未だ涙声でしたが、「はいっ!」と言えました。
少しずつ、笑顔が戻り、心が落ち着きを取り戻していけました。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ O
- by 秋桜 at 7月26日(火)23時44分
- Number:0726234422 Length:2720 bytes
僕は、少しずつですが、雑木林での未遂事件のことから、癒え始めました。
ある日、バスケ部に入っているクラスメートの男の子から、
昨日、S君が、部活で先輩達と一悶着があったと聞きました。S君は、何も言ってくれませんでしたが、原因は、あの雑木林での事件の話題だったそうです。
確か、こんな内容のことが部室で話され、近くに居たS君が激怒をしたらしいのです。
バスケ部の先輩@;「前に雑木林で、変な男に追いかけられたのって、女の子じゃなくて、あの吹奏楽部の一年のやつ(僕)らしいぞ。」
先輩A;「まじかよ、、、。でもあいつなら、わかるな。」
@;「だよな。あいつ、かわいいからさ、年下好きのホモには、たまんねーだろ。前に、図書館で、あいつを見かけたんだよ。本棚の一番上の本を取ろうとしていたんだけど、背伸びをしても届かず、それが可愛くてさ。俺が本を取ってやったら、ありがとうございますって言って、にこっと笑って、頭をぺこって下げたんだよ。俺でも、まじ、やぱかったよ。」
B;「本当かよ。おまえ危ねんじゃねー。気をつけろよ。でもその気持ち、判るな。あいつ、いつも目が潤んでいるから、気があるって、誤解されるよな。」
@;「本当に俺、あいつと二人っきりだったら、襲っちまうかもな。」
A;「ぎゃはははは。それやばいって。でも、俺も自信ねーな。」
ここで、S君が激怒をして、「先輩達、そういう話は、するべきではありません!」と語彙を強くして言いました。
先輩達もむっとして「S,何、真面目ぶっているんだよ。お前の、そういうところが気に入らねーんだよ。」
というようなやりとりがあったと聞き、僕の体の中で、戦慄が起きました。
男気のあるS君なので、このことを聞いても「気にするな。」と言うに決まっています。僕は一大決心をして、事実を話すことにしました。
次の日、S君が迎えに来る前に、学校に行きました。バスケ部の練習が始まる前に、部室のドアを、叩きました。ドアが開き、「何か、要か?」と聞かれました。勇気を振り絞り、
「ちょっと聞いてください。」と言い、視線が一気に僕に来ました。S君もあっけに取られている感じでした。
「雑木林で、変な男に追いかけれたのは、僕です。」と一気に言いました。
S君;「やめろ、、、それ以上、言うな。」
周りの人たち;「まじかよ、、、。」
僕;「その時、助けてくれたのがS君です。本当は、追いかけられたんじゃなくて、後ろから突然、羽交い絞めにされて、口を塞がれて、Tシャツの首のところから、手を突っ込まれて抓られて、、、茂みの中に引きずり込まれそうになって、、。」
みんなが、静まり返って、固唾を呑んで聞いていました。
S君;「もう、、、それ以上、、、言うな。」
僕;「S君が、あの道を通らなかったら、僕は、、、。S君は、警察に行くべきだと言ったんだけど、僕が行きたくなくて、、、。S君、ごめん。大きな秘密を、背負わせてしまって、、、。」
先輩@「S,,,悪かったな、あんな事を冗談でも言って。何も知らなくて。お前、男だな、、、。」
告白をした後の僕は、清々しさも感じつつ、好奇な目で見られても仕方がないと、腹を括りました。でも幸いなことに、みんな男気のある人たちばかりで、
僕の告白は、あのバスケ部の部室の外には、出ませんでした。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ P
- by 秋桜 at 7月27日(水)11時31分
- Number:0727113125 Length:2759 bytes
いつも通り、夏休みの午前中の部活動が終わり、
楽器を片付け、部室を出たら、
S君が待っていました。
お互いにちょっと気まずくて、言葉が出ませんでした。
少しの沈黙の後、
S君;「何で今日の朝、バスケ部の部室で、みんなに、あのことを話したんだよ?」
僕;「、、、。あの雑木林で起きたことを、、、僕のことが先輩達に揶揄されて、S君が、先輩達に楯突いて、喧嘩になりそうだって聞いたから。僕のために、S君が先輩と上手く行かなくなって、目をつけられ、、、レギュラーに慣れなかったらと思ったら、、、。」
S君;「レギュラーくらい、、、。言う前に、俺に相談してくれも、、、。」
僕;「相談したら、みんなの前に話すことを反対しただろうし、もうこれ以上、S君に迷惑をかけたくないから、、、。」
S君;「俺は、迷惑だなんて、、、。」
僕;「もしあの時に、S君が助けてくれなかったら、、僕は、、(涙声に)」
S君;「もう、忘れろ、振り返るな!」と背中を撫でてきて、軽くハグをしてきました。
沈黙のままに、歩き、家につきました。
別れ際に、
僕が「全てを公にして、少し楽になったかも、、、。」と言ったら、
S君;「なら、良かったな、、、。」と微笑み、手を振りました。
翌日、部活動で、I先輩に会うと、いつも通りに接してくれたのが嬉しかったです。
僕;「おはようございます。」
I先輩;「おはよう。」と言って、僕の頭と頬を撫でるのもいつも通りでした。何も言わないけど、僕を労わり、心配してくれているのが態度からも伝わり、それが嬉しくもあり、心が痛くもありました。
野球部の部長さんにもグラウンドで会いましたが、いつも通りに接してくれました。「おう、今日も頑張ろうな。」とだけ言って、いつも通りに、頭と肩をポンポンと撫でてくれて、、、落ち着きました。あの恐怖の告白の後、部長さんにギュッと抱きすくめられて、安心感から、部長さんの厚い胸で涙を流したことが、冷静になった後、少し恥ずかしくて、、、会いづらかったのですが、部長さんは、いつも通りに優しかったです。部長さんのごつごつした日焼けした大人の手で、頭や肩を触れられると、それだけで心が、高揚していくのがわかりました。永遠にこの時間が続けば、、、なんて願っていました。
いつも僕に優しくしてくれて、恐怖の告白後は、抱きしめてくれた部長さんも、もしかしたら僕に特別な感情があるのではと思いもしましたが、
そんな筈は無いと、打消し、でももしかしたらと、思いは堂々巡りをしていました。
その日の部活終了後、S君と一触即発になりかけた、バスケ部の先輩と水道近くの廊下で遭遇しました。気まずかったのですが、
不意に彼から、「お前、勇気あるよな。Sのために、みんなの前で、あのことを正直に話すなんて。見直した、、、。」
僕;「有難うございます。S君は、僕を助けてくれた上に、、、庇ってくれて、、。」
彼は、「わかってる。Sはいい奴だ。」と言って僕の頭を軽く叩き、「またな。」と言って、手を振りました。
玄関に歩いていったら、いつものように、S君が待っててくれていて、
「おう。」とだけ言って、一緒に帰りました。
S君も、何で僕にこんなに、優しいんだろうかと、考え始めました。
クラスメートで友達だから? もしくは、それ以上に、、、?なんて、S君の横顔を見ながら考えていました。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ Q
- by 秋桜 at 7月28日(木)11時59分
- Number:0728115958 Length:4642 bytes
*僕の投稿は、性描写がなく、他の方たちの投稿と比べると、ここには適さないのかとも思いますが、どう思いますか。肉体的な性描写は無いのですが、揺れ動く当時の心を記録しておきたくて、このサイトを見つけました。興奮する内容は無くても、こんな僕の投稿に、感想や質問があれば嬉しいです。
(続き)ある日の夏休み中の部活終了後、夏の間は野球部と吹奏学部は、グラウンド近くの部室が共有なので、いつも通りに、僕は僕の楽器ユーフォ二ウムをケースにしまい、部室に置き、野球部の部長さんに、「お疲れ様」と笑顔で言いました。
部長さん;「ゆうき、明日、家に遊びに来ないか?」
僕;「えっ、、、何でですか?」嬉しかったのに、ぶっきら棒に言ってしまいました。
部長;「特に理由は無いけど、、、合宿で、俺の肩を氷で冷やしてくれたり、部員の腰を冷やしてくれたから、、、。」
僕;「それくらいのこと、、、。あの、先輩は数学が得意ですよね? 成績がトップで、廊下に張り出されていました。夏休みの数学の宿題を持って行って、いいですか?」
部長;「ああ、いいよ。」
僕;「良かった、、、。」
部長さんは、同じ学校の後輩というだけで、僕を家に誘ってくれたと、自分に言い聞かせるのだけど、もしかしたらと思ったり、心は揺れていました。
とにかく部長さんの家に行ける喜びは、表情からもこぼれるらしく、
S君との帰り道、「何かいいことあった?」と聞かれました。
僕;「何もないけど、、。」と笑顔で言ってしまいました。
S君;「ゆうきの笑顔、久々かも。元気になって、良かった。」
その日の夜、嬉しさで余り眠れませんした。嬉しすぎて眠れないなんて、あの当時だけでした。
次の日は、朝から暑く、冷たいシャワーを浴びました。
セックスの知識も無く、ましてや部長さんとしたいなんて全く思いませんでしたが、少しでも、より良い状態で会いたいという、心理でした。
部長さんの家に着くと、「おう、よく来たな。」とぶっきら棒なんだけど、温まる言葉で、迎えてくれました。
今日は一人だから、リビングルームで数学を見てやるよと言われました。
判らない所を丁寧に教えてくれる部長さんの横顔ばかりを、見ていました。
それを気付かれないように、、、でも気付いていたかな、、、。
休憩になり、何か飲むかと聞かれ、咄嗟に、オレンジジュースと言いました。
部長さんが笑いながら、「本当は、合宿の喫茶店でも、オレンジジュースが飲みたかったんじゃないか?」
僕;「ばれました? 他の人たちが、コーヒーや、アイスティーを注文していたので、僕も。子供っぽく思われたくなくて、、、。」
部長;「ははは、やっぱりな、、、。 かわいいな、、。」と言って、オレンジジュースを持ってきてくれました。一緒に飲みました。
僕;「(赤くなりながら)先輩は、何でこんなに僕に優しいんですか。」
部長;「何でって、、、ゆうきは目を真っ直ぐに見て、話しをするし、話を聞くだろ。初対面の時、そこが、いいなと思ったからさ。」
僕;「初対面の時、僕、眼鏡をしてませんでしたよね。 近視なので、じっと見てしまう癖が、、、。」
部長;「それ以外にも、ゆうきの沢山いいところに気付いたから、、、優しい所とか、、、。」
僕;「部長さんの方こそ、僕は、厳しい人だと、クラスの野球部の友達から聞いていたから、こんなに笑う人だとは、、、。」
部長;「だからそれは、野球に関してだけだって、、、部長だから仕方なく。」
暫くの沈黙の後、
部長;「ちょっと疲れたから、横になるか、、、一緒に。」
僕;「えっ、、、、。(顔が真っ赤に。)」
僕の勘違いで、床に雑魚寝という意味で一緒にと部長さんは言ったようでした。 横になり、最近の部活のことなどを話しました。
僕は、前日、部長さんの家に行ける喜びと緊張で、あまり眠れず、
雑魚寝常態で、話しを始めて、直ぐに睡魔が、、、。
せっかく部長さんの家に居るのに、寝るなんて失礼なことは出来ないと思いつつ、寝てしまいました。
起きたときには、タオルケットが僕の上に掛けてあり、部長さんの温かい眼差しがありました。
僕は、部長さんの家で、堂々と寝てしまっていたことが恥ずかしくて、
「スイマセン。」と真っ赤になって言いました。
部長さん;「よく眠れたか?」と優しく言ってくれました。
僕;「起こしてくれれば良かったのに、、、寝ているところを見られて、恥ずかしいです。」
部長;「起こそうと思ったんだけど、よく寝ていたし、寝顔を見ていたら、、、ずっと見ていたくて、、、。」
僕;「本当は、僕、今日、先輩の家に行こうか迷ったんです。雑木林であんなことがあったから、まだ人が怖くて。ごめんなさい、先輩に限らず、誰でもです。寝ていると、たまに思い出すし、、、でも先輩と話していたら、心が落ち着いて、、、突然、眠気が出て、、、。」
部長;「そんな心の状態なのに、来てくれてありがとう。眠気が出たのは元気になってきた証拠かもな、、、。あのことは、聞いたとき、俺もショックだった。未遂で終わったから良かったものの、ゆうきにそんなことをした奴を、捕まえたかった、、、。もう気にするな。俺もいるから。」と言って、頭と肩をいつものように、ポンポンと撫で、また抱きしめてくれました。この瞬間が、ずっと続けばと、心の中で願いました。嬉しさと感謝から、涙がこぼれました。
「もう泣くな。」と言ってくれました。
僕は、「はい。」と言って、部長さんが頭をもう一回、撫でてくれました。
こういうときは、何故、時があっという間に過ぎるのだろう、、、。
時を止められたら、、、本気で思いました。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ R
- by 秋桜 at 7月29日(金)11時16分
- Number:0729111652 Length:3662 bytes
野球部の部長さんの家に遊びに行った日は、とても楽しい夏の思い出になりました。翌日には、いつも通りに朝から部活動があり、学校に行きました。
吹奏楽部のI先輩と朝の挨拶を、交わしました。その時、僕がいつもより笑顔だったためか、「何か、いいことあった?」と聞いてきました。
I先輩と、野球部の部長さんは、同じクラスで、友人らしいので、
昨日、部長さんの家に行って、数学を教えてもらったと話しました。
笑顔で良かったなと言われると思っていたら、意外なことに、I先輩は、ちょっと不機嫌になりました。
I先輩;「数学なら、最初に俺に聞けよ。」
僕;「部長さんが、遊びに来いよって言ったから、数学の宿題を持っていったんです。」
I先輩;「あいつが家に誘ったの?」
僕;「前に合宿で、部長さんの肩を氷で冷やしたお礼だって言っていました。」
I先輩;「そうなんだ、、、今度の部活の休みに日に、俺の家にも来いよ。」
僕;「わかりました。」
部活が終わり、夏休みの宿題の課題に必要な本を探しに、図書館に向かいました。廊下で、前にS君と、一食触発になった後、仲直りをしたバスケ部の三年年生に遭遇しました。
バスケ部員;「おう、どこに行くんだ?」
僕;「図書館に、課題の本を探しに、、、。」
部員;「偶然だな。 俺も、課題の本を探しに行く所なんだ。」
僕;「先輩は、前に僕が、本棚の一番上の本が取れないときに、取ってくれましたよね?」
部員;「そんなこと良く覚えていたな。」
僕;「あの時は、ありがとうございました。」と言ったら、
彼は、笑いながら、僕の髪をぐしゃぐしゃにしてきました。
図書館に入ると、またも僕の必要な本は、本棚の一番上にありました。
椅子に乗って取ろうかと思っていたら、彼が、笑いながら取ってくれました。
そして、「今度、俺らのバスケの試合を観に来ないか?」と言ってくれました。
僕;「いいんですか?吹奏楽部の練習がなかったら、ぜひ。」と言ったら、「必ず来いよ。」と笑っていました。
その週の日曜日に、部活動がなかったので、I先輩の家に行きました。
譜面を持って行きました。
I先輩の部屋に行きました。広い部屋で、ベッドが大きくて、
僕;「ベッド、大きくていいですね。 寝心地が良さそうですね。」
I先輩;「最近、買ってもらったんだ。横になってもいいよ。」
僕は、厚かましくも、横になりました。当時は、本当に子供でした、、、。
先輩も横になりました。
I先輩;「このベッドなら、二人でも充分に寝れるな。合宿の布団よりは広いな。」
僕;「そうですね、、、広いですね。」
その後、床に座り、クラシック音楽のCDを聴きながら、譜面の質問をしたりしていました。
不意に、僕が聞きました。
僕;「先輩は、何で僕に、こんなに優しいんですか。他の部は、上下関係が厳しいと聞いていますし、前に、先輩のユーフォ二ウムを落としそうになった時も、怒られるかなと覚悟したけど、怒られなかったし、、、。」
I先輩;「怒ってもしかたないし、、、それに、ゆうきが既に泣きそうだったから、怒りがなくなって、、、。」
僕;「僕、泣きそうでしたか?」
I先輩;「ああ、泣きそうだったな。それに、吹奏楽部に二年ぶりに男子部員が入って、嬉しくてさ。 でも、最初にゆうきを見た時、小学生が入ってきたかと思ったぞ。」
僕;「小学生? 僕、初対面の時、制服を着ていましたよ。」
I先輩;「制服着ていたけど、着慣れていなくて、、、可愛くてさ。ネクタイが曲がっていたり。流石に最近は無くなったけど、、、。」
不意に、I先輩と目が合う。暫くの沈黙。顔が近づく。一瞬、キスかと思いましたが、お互いに、はにかんでしまい、うやむやになってしまいました。
I先輩;「ゆうきが吹奏楽部に入ってくれて、良かった、、、。」と頭を撫でてくれました。そして、「今度、クラシック音楽のコンサートに行こうか」と誘ってくれました。
僕;「本当ですか? 一度行ってみたかったんです。僕、ユーフォ二ウムも好きなんですが、トランペットとトロンボーンの音も好きなんです。」
I先輩;「俺もトロンボーンとトランペットの音も好きだな。あとアルトフォルンも。」
突然、I先輩が、僕の手に触れる。どきっとする。
I先輩;「小さい手だな、、、。まだ子供の手だな。もうちょっと、手が大きくなれば、ユーフォ二ウムも、もっとスムースに吹けるな。」
と言って、笑っていました。
先輩の手の温もりが、僕の手に伝わってきました。
中学一年生の時のレモン色の淡い想い出。♪ S
- by 秋桜 at 7月31日(日)11時07分
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一ヶ月以上もあった長い、当時12歳の中学一年生だった僕の夏休みも、後半に入りました。
いつも通り、吹奏楽部の部活動が午前中に終わり、歩いていると、他校のバスケ部員達が母校に来ており、ここで練習試合があることが判りました。
前に、バスケ部の先輩から、試合を観に来ないかと誘われたことを思い出し、体育館に行ってみることに。 試合を観ること以上に、僕のことで、ぶつかってしまったS君と、そのバスケ部の先輩との仲が回復したことも確かめたかったのが理由です。ギクシャクしていないことを祈りながら。
試合が始まり、驚きました。一年生のS君が二、三年生に混じり、プレイをしていました。小学生の頃からミニバスをしていたS君なので、実力はあったのでしょう。先輩たちともギクシャクしておらず安心しました。
シュートを決めたS君が、応援席の僕に気付き、手を振ってくれたり、、、。バスケも楽しく観戦できました。母校が勝つことが出来ました。練習試合とはいえ、皆喜んでいました。練習試合のため、観客がまばらだったこともあり、バスケ部員達が、観客席に来てくれました。
S君;「ゆうき、来てくれたんだ。試合どうだった?」
僕;「バスケの試合を観たのは初めてだったんだけど、迫力があった。」
バスケ部の先輩;「ゆうき、本当に観に来てくれたんだ。サンキュー。」
僕;「前に、図書館の帰りに先輩と約束したんで、、、。丁度、今日の部活が終わった後、ここで練習試合があることが判ったので。」
先輩;「バスケも面白いだろう!」と言って、笑いながら、僕の頭をぐしゃぐしゃにしましたが、嫌な感じはせず、僕も笑いました。
翌日の部活終了後、今週の金曜日の夜に、空き地で、毎年恒例の吹奏学部と野球部で、花火大会があることを知りました。
毎年、野球部員と吹奏楽部員のカップルがこの花火大会で、誕生するんと聞きました。
その空き地は、家から少し遠いし、どうしようかなと迷っていました。
でも野球部の部長さんに、花火を沢山持っていくから、来いよ。と笑顔で言われると、嬉しくて、行くことに。
金曜日の夜、空き地に行きました。僕は、Tシャツに、ハーフパンツという格好でしたが、周りの多くは、浴衣で、気合が入っていました。
部長さんも浴衣で、初めて見る姿と、浴衣姿からも胸板の厚さがわかって、ときめきました。I先輩も浴衣姿でした。重たいユーフォ二ウムを担当していることもあり、肩と腕の筋肉は発達しており、やはりときめきました。
それぞれが、花火を楽しんでおり、カップルもちらほら出来始めていました。
部長さんも、色々なグループと花火を楽しんでいるようでした。
線香花火があったので、ふと火を灯したくなったので、火をつけました。
過ぎ行く夏の代名詞のようで、見ていたらふとセンチメンタルになりました。
今年の夏は、初めて胸がときめくという経験をし、大人に一歩近づいた記念すべき夏だった、、、。そうセンチメンタルに浸っていました。部長さんも、I先輩も、S君も好き、みんな大切で素敵で、誰が一番だなんて、、、そんな感情でした。
そんな時、部長さんが来て、
「線香花火か、渋いな。でも俺も好きだな、、、。」
と言って、線香花火を取り、火を灯しました。
線香花火に照らされた部長さんの顔を見ていたら、顔に触れたい感情が出て、抑えられなくなりました。覚悟を決めて、頬に触れました。
部長さんも驚いたように、「どうした?」と聞きました。
僕;「(咄嗟に)花火の灰が付いていたから、、、。」と嘘を。でも見抜かれていたいたでしょう。
部長さん;「ありがとう」と笑顔に。
僕も笑顔に。まだ二次成長を迎えていない僕だったので、性を感じる感情は無く、只、一緒にいたいという思いだけでした。
その後、I先輩とも、花火をしたりして、あっという間に、お開きになりました。ひとりで帰ろうとしていたら、
部長さん;「ゆうきの家は遠いから、俺が送っていくよ。」と言ってくれましたが、
I先輩が「ゆうきは俺(吹奏楽部)の後輩だから、俺が責任を持って、それに俺の家のほうが近いし。」
ということで、I先輩と一緒に帰ることに。
田舎で、外灯も少なく、足場もあぜ道で、途中、I先輩が手を繋いでくれました。本当に足場の悪いあぜ道の時の数分でしたが、どきどきしてしかたなかったです。 先輩の大きな手に包まれた小さな僕の手でした。嬉しいんだけど,照れくさい。部長さんだったとしても、やはり手を繋いでくれたかなと考えてみたり、、、。握っていた手を離すときに、「ちっちゃい手だな。」と笑顔で言われ、僕も笑顔になったり。なぜか、涙ぐんだり。優しくされ、心配されることの喜び、感謝に気付いたからでしょうか。僕の家まで送ってくれたので、麦茶でもと声を掛けたのですが、もう遅いからと、とても紳士な大人な先輩でした。 僕は、気分が高揚していたこともあり、冗談でハグをしたら、笑って放すかと思ったら、ギューッと抱きしめてくれて、戸惑いましたが、心地よくてポーッとしてしまいました。「オヤスミ。」と言って、手を振り歩いていく先輩の後姿を、見送っていました。門限が無ければ、追いかけて行きたい、、、そんな感情と葛藤していました。